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遅れてきた大型ショート・白崎浩之、指揮官の厳しい評価を覆せるか?

春季キャンプで指揮官はある選手に対して、厳しい評価を下した。しかし、その男は黙々と二軍で準備を行い、先日ようやく一軍昇格を果たした。白崎浩之――DeNAベイスターズの内野陣は彼によって、さらに熾烈な競争となる。

2015/04/27

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ようやくスタートラインに立てた白崎

 ここで白崎は腐ることなかった。

 ケガから復帰すると精力的に二軍で練習に励み、イースタンリーグに出場。ショートのレギュラーとして、常に3割を超えるアベレージを保ち打ちまくった。好調なのは首脳陣にも伝わっていたが、一軍のキャンプに帯同できず、連携もできていない選手をおいそれ上にあげるわけにはいかない。

 その間も白崎は、一軍の石川の調子が悪いときはファームでセカンドを守るなどできるかぎりの準備をしつつ、失ったチャンスを再び得るために集中力を切らさず、結果を残し続けた。最終的には19試合に出場し打率.371、13打点を記録している。

 そんな白崎にようやく声がかかったのは、4月17日のヤクルト戦。ここまでショートは倉本と飛雄馬が守っていたが、守備力は高いが打撃低調だった倉本、打撃にパンチ力はあるが守備に難ありの飛雄馬ということに加え、3連敗中だったこともあり白崎がテコ入れされた格好だった。

 昇格即スタメン、2番ショートに入った白崎は、7回にパーフェクトピッチングを続けていた小川泰弘から初安打を放ち存在感を示すと、19日には5打数4安打と快音を響かせた。いずれも残念ながら勝利にはつながらなかったが、守備の安定に加え、昨年まで低調だった打撃に進歩が見られた。以前は変化球に詰まる傾向があったが、今年は広範囲にバットがスムーズに出ており、タメの効いたスイングでボールを捉えている。

 そして22日のタイガース戦、白崎は1番の石川が塁に出ると、振れているバットを納め、3打席でバントを試みている(うち1回は失敗)。当然のことではあるが、役割に徹する必死さを白崎から見てとることができた。その献身的な働きもあり、この日ベイスターズは泥沼の7連敗から脱出した。

 倉本や若手の台頭、ケガをしてしまった自分自身への憤り、そして中畑監督の容赦ない辛辣な言葉――あらゆる厳しい経験をしたことで、ようやく鳴り物入りした大型ショートがその真価を発揮しようとしている。

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