大阪桐蔭・藤原、根尾は競合必至、スラッガータイプもずらり ドラフト会議、注目選手をタイプ別解剖<野手編>
プロ野球新人選手選択会議(ドラフト会議)が25日に開催される。学生に義務付けられたプロ志望届の提出期限も締め切りとなり、いよいよ本番を迎えるのみとなった。高校・大学総勢251人に社会人・独立リーグ所属選手が12球団の指名を待つ。ドラフト候補者をタイプ別に紹介する。
2018/10/17
野手には様々なタイプがいる。昨年は、高校生に早実・清宮幸太郎(日本ハム)、履正社・安田尚憲(ロッテ)、広陵・中村奨成(広島)という「スラッガービッグ3」がいた異例のドラフトだった。今季はどのような適性の候補がいるだろうか。
1・3番タイプ
1位候補として評価を受けるのが、大阪桐蔭の藤原恭大と根尾昂の2人だ。いずれも俊足・好打者タイプで守備にも長けている。昨今の野球は長打力が求められるようになっているが、藤原と根尾は好打者タイプでありながら、ホームランを打てる。彼らがドラフト1位候補と騒がれるのは、安打製造機タイプにとどまらない魅力があるからだろう。
長打力ではやや藤原の方に分がありそうだが、バッティングのアプローチがそもそも異なる。トリプルスリーを狙えそうな藤原に対し、内外野もこなすユーティリティな才能のある根尾。どの球団も獲得したいはずだ。
2人を追う存在として注目されるのが報徳学園(兵庫)の小園海斗だ。この夏の甲子園2回戦では1試合3本の二塁打をマーク。ベースランニングのうまさは超高校級だ。守備は派手さを売りにしているが、本当の力をつけるのはこれからになる。
スラッガーと1、3番タイプの間にいるのが天理(奈良)の太田椋だ。豪快に足を上げるフォームにやや癖はあるが、打球は外野の間を破り、時にはスタンドインということもある。しかし、高校の先輩・西浦直亨(ヤクルト)、中村奨吾(ロッテ)と比べると微妙な立ち位置だ。
中村より長打力はあるが、足はなく、西浦より打撃に確実性はあるものの、守備はやや物足りない。スカウトによって評価が分かれるだろう。
延岡学園(宮崎)の小幡竜平や福知山成美(京都)の藤田希和、明秀日立(茨城)の増田陸がいる。
大学生では辰己涼介(立命館大)が脚力と力強いスイングでスカウトからの評価が高い。単打だけでなく長打も期待できるいまどきほしい逸材だ。即戦力としての期待が大きく、育成に時間のない球団は早くに指名するだろう。
このほか逢澤崚介(明治大)、小郷裕哉(立正大)は三拍子がそろい、吉田叡生(中央大)は長打が加わる。3者は辰己の後を追う。1、3番タイプには左打者ばかり目立つが、右打者では中川圭太(東洋大)、向山基生(法政大)らも指名候補だ。
社会人では、都市対抗のMVPに相当する橋戸賞を獲得した近本光司(大阪ガス)、レギュラーとして2年間チームを引っ張った木浪聖也(Honda)、石川裕也(東京ガス)が実践派タイプの好打者としてリストアップされている。