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巨人に勝機はあるのか、今季17敗の広島に下克上へ…カギは左腕起用法【セCSファイナル展望】

プロ野球のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが17日、セ・パ両リーグで開幕する。セ・リーグは、3位・読売ジャイアンツが3連覇を果たした広島東洋カープに挑む。日本シリーズに駒を進めるのはどちらか。

2018/10/17

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参考にすべきDeNAの左腕起用法

 初戦先発のメルセデスと、先発と中継ぎの両方の可能性がある吉川光夫、田口麗斗、内海哲也ら左投手がどこまで働くか。
 
 昨季のDeNAの戦い方が参考になる。初戦を雨天5回コールドで落とし、アドバンテージを含め2敗目を許したDeNA。だが、2戦目を左腕・濱口の好投でもぎ取った。
 
 3戦目は右腕・井納翔一で勝利し、対戦成績を五分にした。4戦目は右腕のウィーランドが先発。リードを奪った6回途中から前倒しの継投に入り、7回から左腕・今永を2イニング登板させ、クローザーの山崎につないだ。5戦目は左腕・石田が先発。1イニングで降板したが、4回から2戦目勝利の立役者・濱口を2イニング登板させた。左腕を有効活用してファイナルを制した。
 
 巨人の投手陣を見ていると、広島打線を得意にしている人材はいない。ただ、ある選手にはボロボロに打たれているが、ある主力はしっかり抑えているという得手不得手はある。広島打線に多くいる左打者に対して、データを駆使しながら、うまく起用したい。
 
 初戦先発のメルセデスは、田中広輔、鈴木誠也、西川龍馬にはカモにされているが、菊池涼介、丸佳浩は抑え込んでいる。一方の吉川光は、田中には打たれているものの、丸、鈴木、菊池は2割に抑え、西川、野間峻祥、松山竜平は無安打だ。
 
 2人は例として挙げたが、試合で戦いながら相手のウィークポイントを見出して攻撃を分断させたい。今年は鈴木誠也がいる分、一筋縄ではいかないだろう。理想は1番・田中と丸を黙らせることだ。
 
 ファーストステージを2戦で終えられたのは巨人にとって幸運だ。シーズン終盤の好調を維持しているメルセデスを1戦目に立てることができ、中継ぎ陣の疲労もない。対戦成績は絶望的だが、どこかに勝機を見出していきたい。
 
 ただ、クローザー・山口俊が広島を苦手としており、最後を任せるには心もとない。山口はクローザーにこだわらず、柔軟な起用も意に介さないはずだ。戦いながら、最後を締めるのは誰かを見つける作業をベンチがしていけばいいということだ。
 
 真っ向勝負では巨人に勝ち目はない。それがシーズン成績に表れている。巨人は仕掛けなければならない。
 
 高橋由伸監督がどう嗅覚を働かせるか。その采配に注目したい。
 
 
氏原英明

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