巨人ファンが語る「新3番バッター橋本到の期待と課題」とは?
ジャイアンツという選手層が分厚いチームにおいて、与えられるチャンスは多くはない。そのチャンスで、いかに結果を残しつづけるか。橋本到も、今まさにそれが試されている。
2015/04/25
千載一遇のチャンス
「なにやってんだよ バカ野郎」
あの夜、橋本到は自身の練習メモにそう殴り書きをした。
昨年5月8日、DeNA戦の守備時に左太もも肉離れを発症し故障離脱。
掴みかけたレギュラーを自ら手放す怒りと絶望。
俺はいったいなにをやってんだ。
ペンを握り、惨めさを心に刻み込んだ…。
今シーズンは2年連続の開幕スタメンを狙うも、開幕直後のわずか1打席で屈辱の2軍降格。
昨季103試合に出場。しかし、ぶ厚い選手層を誇る巨人においては1年前の実績はたいした意味を持たない。
新加入のベテラン金城が1番打者として結果を残し、新助っ人フランシスコの加入でアンダーソンのレフト起用が濃厚。
(フランシスコの守備位置は一塁と三塁という報道だが、あの丸々と太った体型を見る限り一塁での起用が基本線だろう)
激しい外野争いを勝ち抜くには、少ない出場機会でアピールするしかない。
いつやって来るか分からないチャンス。
それは突然やって来た。
開幕16試合でチームトップの3本塁打、10打点をマークし、不振の打線を支えていた亀井善行が下半身の張りで離脱。
3番打者を襲ったアクシデントに、首脳陣が出した答えは「3番センター橋本到」である。
1軍昇格即、大抜擢された16日DeNA戦(ハマスタ)では先制打と1号アーチを含む3安打3打点の活躍。
その後、橋本は3番に定着し、26打数12安打の打率462、OPS1.409と驚異的なスタッツを残している。
172センチと小柄ながらも、12安打のうち、2塁打が5本、3塁打が1本、本塁打が1本と、長打率.846を誇るパンチ力。
背番号32の魅力はその走攻守の総合力の高さだろう。
今季8試合で3盗塁は、片岡の6盗塁に次ぐチーム2位。
もちろん巨人外野陣ベストと称される強肩も健在。
小学6年で、なんと遠投100メートルを投げた東北のイチロー。
13年イースタン断トツトップの12補殺は伊達じゃない。