ソフトバンク・デスパイネ、母国野球連盟に反発 知らぬ間にリーグ補強選手リスト入り「プレーしないことがベター」
2018/10/23
キューバメディア『サイバー・クーバ』のスクリーンショット
福岡ソフトバンクホークスのアルフレド・デスパイネ外野手がキューバ野球連盟に激怒しているようだ。20日(日本時間21日)の同国メディア『サイバー・クーバ』によると、同連盟が選手自身に相談のないまま、国内リーグの補強選手リスト入りしていたという。
デスパイネの母国キューバでは、現在国内リーグが開催中だ。同リーグでは第2ラウンドに進出した6チームが、敗退したチームの中から補強選手を選出できる。
デスパイネが激怒しているのは、その補強選手として日本へ派遣された6選手、デスパイネ、ジュリスベル・グラシアル内野手、リバン・モイネロ投手、オスカー・コラス外野手(以上ソフトバンク)、ライデル・マルティネス投手、アリエル・マルティネス捕手(以上中日ドラゴンズ)が選手に知らされることなくリストに加えられた件に対してだ。
「デスパイネ、キューバ球界上層部と対決」というタイトルで配信された記事では、デスパイネが自身のフェイスブックに投稿したコメントを紹介している。
その中では「今朝起きて、われわれが補強選手のリストにあることを知った。私はキューバの野球事情というのを理解しているし、ファンがわれわれを見たいというのも分かっている。だが、まず健康であることだ。われわれは2月から11月まで、キューバより困難なリーグにおいて毎日100%でプレーしているのだ」と綴られている。
そして「連盟はわれわれに相談することなく、そしてフィジカルがどのような状態であることを知りもせずに補強選手に加えた。私は3度故障し、それでも休むことなくプレーしている。この3年、家族とも離れ休むことなくプレーしているんだ」と続ける。
さらに、「それぞれのチームの事情があるが、われわれはプレーしないことがベターだと思う。グラシアルは指の故障を抱えたまま中米カリブ大会でもプレーしたし、モイネロも常に腕に疲労を抱えている。私もずっと膝に痛みがある。我々はそうしてプレーしなければいけない。私に関してはどう思われようとも、(今季キューバで)プレーすることはないだろう」と悲痛な思いを訴えている。
キューバ国内リーグは1月まで続き、2月上旬にはカリビアンシリーズが行われる。その後日本球団のキャンプに合流し、フルシーズンを戦った後でキューバに帰国という過酷なサイクルをこの数年間繰り返しているデスパイネ。そうした合間の国際大会にもキューバの顔として出場を続けるその体は、ギリギリの状態であるのも当然であろう。
キューバ球界の事情もあるだろうが、デスパイネ自身も主張するように、ファンが心配するのは彼のコンディションだ。キューバ球界、日本球界、そして何よりも選手たちにとってより良い決定が下されることを願う。
高橋康光