連覇か、雪辱か――“接戦上等”の頂上対決! ソフトB、広島ともに指揮官の采配が命運握る【日本シリーズ展望】
SMBC日本シリーズ2018が開幕する。セントラル・リーグのペナントレースとCSを圧倒的な力で勝ち上がってきた広島とパシフィック・リーグのペナントレースは2位ながら、CSを突破したソフトバンクが対戦する。果たして、どんな試合になるのだろうか。
2018/10/27
「オーソドックス」な野球が信条の両チーム
初戦の先発投手は広島が大瀬良大地、ソフトバンクは千賀滉大と発表されている。
ともに、今季チームをエース格として引っ張ってきた2人を立てての対決は、非常に見応えがある。
その中でシリーズの注目として挙げられるのが両チームの指揮官の采配だ。
基本的に、広島の緒方孝市監督、ソフトバンクの工藤公康監督も、オーソドックスな野球を信条とするタイプだ。走者が出れば、あっさり送りバントをするし、継投策も、決められたことを粛々と遂行して行く。
両チームの選手の力量からすれば、バントもできれば、盗塁、エンドラン、強攻策をしてもなんらかの成果を残す選手が揃っているはずだが、「横綱相撲」のように、頑なイメージが少なくないのだ。
ところが、CSの戦いではソフトバンクの工藤監督がやけに積極的だった。主軸の打順は据え置きながらも上位打線をひっくり返したり、ここ数年、チームの顔として多大なる貢献をしてきた松田宣浩内野手をスタメンから外したりもした。
おそらく、ペナントレースを2位で終えたことで、工藤監督のどこかでタガが外れたのだろうと思う。投手起用にしても、シーズンでは中継ぎだった石川柊太だけでなく、武田翔太をブルペン待機させ、さらには5人いる外国籍選手の使い方も実に巧妙だった。