決勝2ランのソフトB上林誠知、背番号「51」のライバル・鈴木誠也の存在に奮起「セで一番意識する」
2018/11/01
福岡ソフトバンクホークスは10月31日、「SMBC日本シリーズ2018」第4戦で広島東洋カープを4-1で破った。上林誠知外野手のシリーズ初本塁打が決勝点となり、対戦成績は2勝1敗1分。ついに星一つ先行した。
勝てば一歩リードできる第4戦。第3戦は大量6点リードを終盤に1点差まで追い上げられたソフトバンク。前日からの広島の勢い断ち切るため、なんとしても先手を取りたかった。
そして、3回裏、ほしかった先制点を挙げた。2死一塁から上林が広島先発の野村祐輔投手のスライダーをとらえ、右翼スタンドへ運んだ。
埼玉西武ライオンズとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでは、打率.318、1本塁打、10打点と打棒を発揮。だが、日本シリーズで初安打が生まれたのは第3戦だった。
この1本で心に余裕が生まれたという上林。「本拠地に来たら打てる気がしてた」と先制2ランに安どした様子。キャプテン・内川聖一内野手の「こういうシリーズはどれくらい打ったかというより、どこで打ったかが大事」という言葉を受け、「いい場面で打てるようにしていきたい」と次戦へ意気込む。
上林をさらに奮起させるのが同じ背番号「51」を背負い、右翼を守る鈴木誠也外野手の存在だ。第3戦では2本塁打で追い上げムードをつくり、この日もソロ本塁打を放った。
内川の元で自主トレする仲間でもある2人。実力は及ばないとしながらも、上林は鈴木を「ライバルと言うか、セ・リーグの中で一番意識する存在」と語る。「打ちまくるんでね。負けてられないな」と闘争心をあらわにした。
さらに、シーズン中でも連絡を取り合い、打撃論を交わすこともあるという。鈴木が今年はあまり足を上げないフォームにしたと聞き、「自分もいまあんまり足上げてない」と参考にしていることを明かした。
そんな2人が競うように本塁打を放った第4戦。上林は第5戦へ向け、「勝てば、相手にもプレッシャーになる。なんとか勝ちたい」と余韻に浸ることはない。広島が追いつくか、ソフトバンクが日本一に王手をかけるか。
取材・氏原英明、文・ベースボールチャンネル編集部