西武・浅村栄斗、FA宣言で見せた球団への気遣い。いまが一番の“売り時”、大型二塁手をいかに評価するか
埼玉西武ライオンズの浅村栄斗内野手は7日、埼玉県所沢市内で国内フリーエージェント(FA)を行使すると表明。本人の口からから決断に至った経緯や球団への想いが伝えられた。
2018/11/08
氏原英明
FA権行使はプロとしての姿勢の表れ
特に、源田壮亮との二遊間守備、打線での2番・3番のコンビは他球団の脅威となっていた。
源田の盗塁を待つ浅村、盗塁のフリをして浅村を助けようとする源田。二遊間で数々のピンチの芽を摘み取る二人は今季の西武の象徴だった。
選手を「商品」と考えれば、今の浅村は一番の“売り時”だ。
1年待って海外FAという選択肢もある。だが、「他球団の評価を聞きたい」という彼の言葉は率直な想いであると同時に、自身の商品価値を正しく査定してもらいたいというプロの姿勢ともいえるだろう。
日本ではFAを行使すると移籍を前提とされる風潮があり、さも裏切り者であるかのような印象も持たれる。フロント陣がどういうビジョンで交渉に臨むかが焦点になる。
「浅村栄斗」という商品にはどれだけの価値があり、それに対してどう評価額をつけていくのか。そして、球団としての思いを伝えるのか。
浅村がどこを選んだかではなく、どの球団が浅村を評価したか。これからの勝負はむしろそちらにある。
「浅村が出て行って、ライオンズが優勝できるっていうイメージがわかないといっていただいたのは本当に嬉しくて。感謝しかないですね」
浅村は残留を基本線に考えていると思う。交渉に当たったとされる渡辺久信SDの熱い言葉に心を掴まれるところもあったのだろう。だが、交渉ごとはどう運ぶかは分からない。
これからはフロントの戦いだ。監督がチームを勝利に導くように、フロントが獲得合戦を争うのだ。
浅村は胸を張っていていい。FA権の行使はそれほどの選手になったことの証なのだ。
氏原英明