巨人・松原聖弥、ダイヤモンド1周15秒台の脚力。大舞台で発揮した才能、甲斐に重なった育成出身のスター性
読売ジャイアンツ対MLBオールスターチームによる「2018日米野球エキシビションゲーム」が8日、東京ドームで行われた。巨人は6-9で惜しくも敗れたが、途中出場の松原聖弥外野手ら若手が躍動した。
2018/11/09
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侍ジャパンとの対戦で才能見せつけた甲斐
今でも記憶しているが、試合開始から甲斐はその持ち味を発揮した。当時の代表選手だった大野奨太や嶋基宏のコンディションが良くなかったこともあるのだが、侍ジャパンは3つの盗塁を許した。代表チームの弱点が露呈する一方、イニングの合間のインターバルで甲斐の二塁へのスローイングは、満員にふくれあがった観客をどよめかせた。
“甲斐キャノン”発動による盗塁阻止は見られなかったが、将来の球界を引っ張る男が確かにそこにいたのだ。
周知の通り、甲斐は育成選手として入団した。この日、若手選手の中でも輝く才能を見せた松原もまた育成上がりだ。
「監督から攻撃的なプレーをしなさいと話してくださったので、その言葉を肝に銘じてプレーしました。入団した時から初打席は楽しもうと決めていました。その気持ちがいい結果につながったのかなと思います」
松原の初々しいインタビューの受け答えは、まだ1軍に慣れていないことの証左にも思える。ただ、彼にとって、大舞台で躍動できたことはちょっとした自信にもなったはずである。
原監督は言う。
「選手たちが持っている能力に自信を持ってプレーしてもらいたいという思いを持っています。チームの中でそれを一番実行したのは松原選手です。戦う以前に負けているような選手であってはいけない。良いものは出つつあるという風に思っています」。
この日まで、松原をあまり知らなかったファンは多いだろう。思えば、2017年のあのころ、甲斐のことをよく知らなかった人もいたはずだ。
侍ジャパンの事業を通じた一つの試合から、またスターが生まれたのかもしれない。
氏原英明