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出足好調のヤクルト・日本ハム、広島・オリックスのつまずきの要因【小宮山悟の眼】

千葉ロッテ、さらにはニューヨーク・メッツでプレーし、現在プロ野球解説者・評論家の小宮山悟氏の連載。プロ野球が開幕してから約1カ月が経過した。今回は、開幕1カ月診断として両リーグの戦況を主要チームの戦いぶりを中心に分析してみた。

2015/05/03

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 開幕からはや1カ月が経過した。前評判以上に順調にスタートを切ったチーム。思わぬ苦戦を強いられているチーム。各球団の事情は様々だが、それぞれの好不調にはもちろん明確な理由がある。
 今回は、開幕1カ月診断として、両リーグの戦況を主要チームの戦いぶりを中心に分析してみたいと思う。

まさかのオリックス、スタートダッシュ失敗

 まずはパリーグだ。パリーグ最大の出来事といえば、私もシーズン順位で上位に予想したオリックスの不振だろう。故障者が続出。エース金子の復帰時期の目途も立たない。不安要素を抱えたまま、開幕から最下位を抜け出せないでいる。
 2月のキャンプ視察の際、オリックスが非常に精力的な練習をこなしていたことは、この連載でも触れさせてもらった。オフの大補強に成功。昨年、あとわずかで逃してしまった優勝に今季こそ手が届く。選手たちの眼の色が違った。だからこそ、私もシーズン順位で上位に予想したわけだ。
 ただ、それと同時に次の3点を危惧すべきポイントとして挙げさせてもらった。

1 昨季、フル回転したブルペン陣の疲労
2 張り切りすぎのオーバーワーク
3 だぶつく戦力をバランスよく起用できるか

 残念ながら、そのすべてが的中してしまった。ご存じのように開幕前に比嘉と岸田(28日に1軍復帰)が離脱。開幕してから、佐藤達と平野佳も戦列を離れた。非常事態となった。
 そもそも負傷離脱と故障離脱では意味合いが違う。
 アクシデントである負傷には仕方のない面もあるが、故障は対応の仕方次第で必ず防げる。アピールが必要な二軍選手ならまだしも、実績を残した一軍の主力選手が、キャンプで張り切りすぎてしまっては本末転倒だろう。少し厳しい言い方になるが、シーズンに向けた練習という意識がなければ、それはただの自己満足になってしまう。

 選手たちは、昨シーズンの頑張りが想像以上にダメージとして残っていることを実感しているはずだ。あえて、プラスの要素を探すとすれば、彼らが疲労の蓄積の怖さを、身をもって学習できたことは、これからの野球人生においてきっと役立つのではないだろうか。

 好調なのは日本ハム。2強(ソフトバンク、オリックス)4弱の戦力分析をした上で、私がなぜ順位予想で日本ハムを3位に上げたかというと、6チームの中で最も投打の柱がはっきりとしているから。エース大谷、4番中田というしっかりとした軸がいるので、その2人が実力通りの活躍をすれば、チームが強さを発揮していることにも肯ける。

 ただ、このまま独走状態に持ち込めるかといえば、そうは思わない。長いシーズンでモノを言うのは、やはりチーム総合力。いずれはソフトバンクが首位に立つだろう。そういう意味では、オリックスにもまだ巻き返しの時間は残っている。まだシーズンは始まったばかりだ。

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