一発に飢えたファンのために……フルスイングで心をつかんだホアン・フランシスコ
5月2日のタイガース戦で、ジャイアンツが緊急補強したフランシスコが1軍デビュー。この試合で、いきなり来日初安打初打点を記録し、勝利の立役者となった。ファンは、フランシスコに何を期待するのか?
2015/05/03
フルスイングにどよめくスタンド
「ホームランはグラウンドの時間が止まる。敵も味方も何もできないダイヤモンドを1人で回るんだ」
偉大なる王貞治は、本塁打の魅力を聞かれるたびにそう答えていた。
球場の観客やテレビの前のファンにとっても、特別な時間。
それが今季の巨人は29試合終了時、チーム本塁打はわずか11本。
リーグ首位ながらも、長打力不足に喘いでいる。
そこで緊急補強されたのが27歳の元メジャーリーガー、ホアン・フランシスコだ。
公称188センチ・111キロとプロレスラーのような体格をした大型野手。
メジャー通算48発、昨年もブルージェイズで16本塁打を放ったドミニカ生まれの左の長距離砲である。
2日、新助っ人は本拠地の阪神戦(東京ドーム)で1軍デビュー。
登録即「5番ファースト」として3番アンダーソン・4番大田泰示とともにクリーンナップを組んだ。
出だしは阪神の先発・藤浪晋太郎の前に2打席連続の空振り三振。
ド迫力のフルスイングに拍手と笑いの起こる一塁側スタンド。
フライを追うだけでどよめき、打球にダイビングすれば捕れなくても大拍手が送られる。
新助っ人に必要なのは、野球の実力はもちろん、強烈なキャラクターだ。
言葉の通じない異国の地で、分かりやすいキャラはストーリー性を生み、人々はそのストーリーを通じて感情移入をする。
誰も知らない外国人選手ではなく、俺らのチームの選手として。