巨人・山口鉄、西村、中日・岩瀬、浅尾、オリックス・佐藤達…相手に絶望感を与えた救援投手たち
2018/12/17
50試合以上WHIP1.00未満を記録した年度成績
以下は、50試合以上WHIP1.00未満を記録した年度成績で、カッコ内はチームの順位。
岩瀬仁紀(中日ドラゴンズ)
・2002(3位) 52試合59回2/3 4勝2敗(ホールドは記録なし) 66奪三振 防御率1.06 WHIP0.90
・2003(2位) 58試合63回2/3 5勝2敗4セーブ(ホールドは記録なし) 69奪三振 防御率1.41 WHIP0.93
・2006(1位) 56試合55回1/3 2勝2敗40セーブ5ホールド 44奪三振 防御率1.30 WHIP0.87
西尾東高、愛知大、NTT東海を経て1998年ドラフト2位で中日に入団。1年目から15年連続で50試合登板するなど鉄腕ぶりを発揮した。背番号の13がタロットで死神のカードを表すことから、代名詞のスライダーは“死神の鎌”と呼ばれた。
岩瀬は、50試合以上WHIP1.00未満を3度達成している。1度目はプロ4年目の2002年、WHIP0.90で、防御率もキャリアハイの1.06を記録。翌03年もWHIP0.93とした。クローザーを務めた05年には60試合で当時のプロ野球記録となる46セーブを挙げた。
通算成績は20年間で、1002試合に登板し、59勝51敗、407セーブ、82ホールド、防御率2.31だった。
浅尾拓也(中日ドラゴンズ)
・2010(1位) 72試合80回1/3 12勝3敗1セーブ47ホールド 75奪三振 防御率1.68 WHIP0.87
・2011(1位) 79試合87回1/3 7勝2敗10セーブ45ホールド 100奪三振 防御率0.41 WHIP0.83
常滑北高、日本福祉大を経て、2006年にドラフト3位で中日に入団した浅尾。150キロ超え連発の快速球と甘いマスクで人気を博した。
WHIP1.00を切ったのは、シーズン最多となる47ホールドを挙げた10年と、87回1/3に投げて、防御率0.41をマークした11年。いずれの年もチームはリーグ優勝を果たし、11年は、史上初めて中継ぎ投手としてセ・リーグ最優秀選手(MVP)にも選ばれた。
通算成績は12年間で、416試合に登板し、38勝21敗、23セーブ、200ホールド、防御率2.42だった。
山口鉄也(読売ジャイアンツ)
・2009(1位) 73試合78回 9勝1敗4セーブ35ホールド 62奪三振 防御率1.27 WHIP0.86
・2011(3位) 60試合61回2/3 5勝1敗2セーブ25ホールド 38奪三振 防御率1.75 WHIP0.996
・2012(1位) 72試合75回1/3 3勝2敗5セーブ44ホールド 68奪三振 防御率0.84 WHIP0.72
・2013(1位) 64試合66回2/3 4勝3敗6セーブ38ホールド 55奪三振 防御率1.22 WHIP0.97
育成出身の山口は、横浜商高、アリゾナ・ダイヤモンドバックス傘下Rミズーラ・オスプリーを経て2005年育成ドラフト1位で巨人に入団、07年に支配下登録。翌08年は67試合に登板し、11勝2敗2セーブ23ホールド、防御率2.32の成績で新人王に輝いた。
08年以降9年連続60試合登板はプロ野球記録で、うち4年でWHIP1.00未満をマーク。巨人のリリーフを支えた長年にわたるキャリアの中でも、44ホールドを挙げた12年は、防御率0.84、WHIP0.72と一切相手を寄せ付けなかった。
通算成績は13年間で、642試合に登板し、52勝27敗、29セーブ、273ホールド、防御率2.34だった。
西村健太朗(読売ジャイアンツ)
・2012(1位) 69試合71回1/3 3勝2敗12ホールド32セーブ 58奪三振 防御率1.14 WHIP0.87
広陵高から2003年ドラフト2位で巨人に入団。07年に勝ちパターンの一角としてリリーフに定着すると、12年からは守護神を担った。13年には42セーブを挙げ、最多セーブのタイトルを獲得。07~09年、12~14年の2度のリーグ3連覇に貢献した。
12年は山口とともに、WHIP1.00未満を達成。他球団にとって、2イニングはほぼノーチャンスだったと言えるだろう。
通算成績は15年間で、470試合に登板し、38勝34敗、81セーブ、77ホールド、防御率3.12だった。
佐藤達也(オリックス・バファローズ)
・2014(2位) 67試合74回1/3 6勝4敗1セーブ42ホールド 85奪三振 防御率1.09 WHIP0.93
大宮武蔵野高、東海大北海道、Hondaを経て2011年ドラフト3位でオリックスに入団。最速155キロの剛腕は13年に40ホールドを挙げ頭角を現すと、14年には、6勝4敗、1セーブ、42ホールド、防御率1.09の成績を残した。13年、14年はいずれも最優秀中継ぎのタイトルに輝いている。
14年の佐藤は、被打率.157という圧倒的な数字をマーク。11年の浅尾が被打率.186、12年の山口が被打率.179であるところを見れば、その輝きが見てとれるだろう。
通算成績は7年間で、262試合に登板し、11勝21敗、14セーブ、109ホールド、防御率2.71だった。