年の瀬のハロー&グッバイ。衝撃の2V2大型トレード成立で期待する化学変化【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#91】
今年のオフシーズン、精力的に戦力補強を進めるファイターズ。先日は東京ヤクルトとの大型トレードが成立した。
2018/12/15
新天地での活躍を願う
トレードの詳細が次第に伝わり、当の選手らも直前まで何も知らされなかったことが判明した。高梨はどうやら9日、岡大海の結婚式帰りで空港へ向かう途中、連絡を受けたようだ。新千歳から羽田へ戻る機中、複雑な感情が交錯しただろう。秋吉は10日、ヤクルト球団事務所で20パーセントダウンの契約更改を終えたばかりだった。何と契約更改の翌日にトレード発表である。まさに寝耳に水である。本人ですらこうなのだから、僕らファンが戸惑っても仕方ないと思う。
もちろん感情は揺れる。が、よく考えてみれば高梨や太田賢吾がセ・リーグへ行ったからって、応援しないわけがないのだ。どこへ行ったって2人のことは気にする。交流戦では拍手で迎える。これから大輪の花を咲かせてほしいと願う。僕は「ハムは商売上手」なんて言われるのが不本意なのだ。トレードはどちらもうまく行って、ウィンウィンの関係になるのが理想だ。
ファイターズは経験豊かなリリーフ投手と、守備の職人を獲得した。透けて見えるものは何かといったら「ディフェンスの野球」再構築だ。ファイターズは西武のような打撃のチームじゃない。広い札幌ドームを本拠に「先行逃げ切り」の野球を続けてきたのだ。が、どうもそれが型崩れを起こしていた。リリーフが弱い。守れない。象徴的な言い方をするならば「2019年シーズンの谷元圭介と飯山裕志」が必要だった。例えば上原健太が5回まで投げた後、あるいは横尾俊建がセカンドスタメンで先制2ランを放った後、試合を締めくくるリリーフや守備固めが要る。
それから化学変化だ。ファイターズは残念ながらソフトバンクじゃない。資金力では逆立ちしても勝負にならない。もし、質量ともに戦力日本一のチームなら敢えて動かさずとも強いのかもしれないが、ファイターズみたいなチームは、絶えず変化を加え刺激をもたらして、化学変化を期待するしかない。上沢直之、有原航平は金子弌大から何かを学ぶかもしれない、鍵谷陽平、井口和朋は秋吉亮から何かを学ぶかもしれない。
同じようなことが高梨、太田賢吾にも言える。彼らも行った先で人と出会うことで大きく成長するかもしれない。年の瀬のハロー&グッバイ。立場はどうあれ、野球はこの先もずっと続いていく。再会を心待ちにしているよ。何事もプラスにしていこう。
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