【プロ野球2018年総括】オリックスはチーム再建の好機。DeNAは来季が正念場<オリックス・DeNA>
2018/12/25
横浜DeNAベイスターズ
ラミレス政権下で初めてクライマックスシリーズ(CS)進出を逃した。
開幕からローテーションの中心を担うはずだった、今永昇太、石田健大、濱口遥大の左腕トリオが揃って不調。ルーキーの東克樹が11勝を挙げる目覚ましい活躍ぶりを見せたが、中継ぎに配置転換していた井納翔一を先発に復帰させるなど、頭数を揃えるのに苦慮した1年だった。
打線の方も、宮﨑敏郎、筒香嘉智、ロペスといった主軸は安定感のある打棒を見せたが、彼らにつなぐ選手たちが軒並み安定性を欠いた。指揮官は、前年まで結果が出なくても起用をつづけた桑原将志や倉本寿彦をスタメンから外して奮起を待ったが、むしろ、不安定なラインアップづくりに終始した印象だ。
その中での希望は投手では三嶋一輝、野手ではソトだ。
三嶋は有望株として長く期待されながら不本意なシーズンを送ってきた。今季はモップアップの役割として60試合登板。試合を重ねるごとに安定感が増し、キャリアハイとなる7勝15HPをあげた。リリーバーに力のあるボールを持つ投手が一人でも多くいたことは心強かった。今後に向けても、貴重な戦力となるはずだ。
ソトはシーズン途中からラインアップに入ると、ホームランを量産した。筒香をさしおいてのタイトル奪取は見事というほかなかった。打線の重量感はソトの存在でより一層増した。
来季へはやはり先発陣の奮闘、打線はリードオフマンがカギを握る。
先発陣は今年ほど悪くはならないだろう。濱口は日米野球で復調の兆しを見せていたし、今永、石田がこのまま終わるとは思えない。来季から入団する上茶谷大河は楽しみだし、今季経験を積んだ、京山将弥や飯塚悟史なども台頭しつつある。
むしろ、心配なのは東だ。先輩左腕3人がフルシーズンを戦い抜いて苦しんだように、ルーキーからローテーションに入る負担は小さくない。そこはラミレス監督やピッチングコーチが分かっていると思うが、毎年のように、ルーキーや2年目が勝ち頭になっているようではどれだけドラフトで好投手を獲得しても、キリがない。チームとして、起用法から将来のビジョンをしっかり描かなければならない。
リードオフマンの方は今季怪我するまで状態が良かった神里和毅、復帰を目指す梶谷隆幸、移籍2年目の大和や桑原がどうチャンスメーカーとしての役割を担っていくかがキーとなるだろう。
巨人が大補強を敢行して、阪神も監督を交代させるなどチームの改革を図っている。中日はドラフトでゴールデンルーキーの獲得に成功して着々と進歩を見せている。筒香がメジャー移籍の希望を表明している中で、来季はいろんな意味で進化を見せなければいけない。暗黒時代に戻るか、進化を見せるか。重要なシーズンになる。
氏原英明