日ハム・王柏融は実力を証明できるか。台湾からの大きな期待、課題は守備力と日本文化への適応
北海道日本ハムファイターズは21日、元台湾プロ野球(CPBL)Lamigoモンキーズの王柏融(ワン・ボーロン)外野手の入団会見を開いた。台湾プロ野球の打者として日本プロ野球(NPB)へ挑戦するのは、2002年以来となる。王は日本で実力を証明し、両リーグの架け橋となれるだろうか。
2018/12/25
鄭仲嵐
竹田憲宗代表取締役社長(左)、王柏融(中)、栗山英樹監督。【撮影:鄭仲嵐】
台湾プロ野球の選手としてNPB挑戦
元台湾プロ野球(CPBL)・Lamigoモンキーズの王柏融(ワン・ボーロン)外野手が、札幌市内で北海道日本ハムファイターズ入団記者会見に臨んだ。「みなさん、こんにちは。私は王柏融です」と日本語での挨拶から始まり、爽やかな笑顔を見せた王は、「これからも台湾野球の、最後まで諦めない精神を胸に、さらなる高みを目指していきます」と抱負を語り、即戦力としてチームに貢献することを誓った。
CPBLで、プロ2年目の2016年から2年連続で打率4割超えを果たし、首位打者を獲得した王。“台湾プロ野球の”打者として日本プロ野球(NPB)へ挑戦するのは、2002年の陳文賓以来となる。これまで多くの台湾打者が日本で活躍したが、そのほとんどが高校時代から日本に野球留学をし、言語や文化に馴染んでいた。王は、外国人選手として、実力を証明していかなければならない。
ラミゴ球団は10月17日、王の入札を宣言。だが当初、台湾のファンは「尋ねてくるNPB球団はあるのか」と懐疑的であった。その原因は、CPBL首位打者の成績が「日本でも通用するのか」という疑問だ。あるプロ野球チーム担当は、「前例がないので、台湾での打撃成績がどれくらい参考になるか分からない」と、NPB球団の心配事を語った。
過去の歴史を見れば、1998年に韓国プロ野球(KBO)からNPBに移った李鍾範(イ・ジョンボム)が類似したケースだ。「韓国のイチロー」とよばれた李は、俊足巧打の選手として、入団2年目でKBO歴代シーズン盗塁記録を更新。同年、首位打者も獲得し、韓国の野球ファンを魅了した。
日本では、KBOからNPBに挑戦したパイオニアとして4年間在籍したが、思うように出場機会を勝ち取れず帰国した。だがその後、日本に多くの韓国打者が進出。李承燁や李大浩といったNPBでもタイトル争いをする選手が生まれた。
王も李と同じく2年目に首位打者に輝き、打率.414でシーズン最高打率を更新。200安打もCPBL史上最高の数字で、一躍台湾のスター選手となった。今の王は、台湾野球の打者たちが日本に進出するための礎となるべく、多くの台湾ファンの注目を集め、実力を証明する必要があるのだ。