マリナーズへ移籍の菊池雄星、メジャー挑戦へ12年越しの思い「これからが本番」
2019/01/07
氏原英明
埼玉西武ライオンズからポスティング移籍でシアトル・マリナーズへの加入が決まった菊池雄星投手が埼玉県所沢市の球団事務所を訪れ、MLB挑戦の意気込みを語った。
メジャーリーグについて、「15歳の時に花巻東の監督に、メジャーを目指そうという話をしていただいたから12年間経ってますし、毎年毎年その思いというのは膨らむばかりでした」と長年の思いを語った菊池。「今はまず、スタートに立ったなと。ゴールではないな、これからが本番だという思いでいます」と、来季に向けて、気を引き締めた。
また、同窓であり、既にメジャーで活躍している大谷翔平投手については、「二人が活躍することで野球界が盛り上がれば」と、岩手県出身選手として、ともに高め合うことを誓った。
菊池は、花巻東高校所属時からMLB挑戦を希望しており、複数球団との面談も行った。だが、迷った末に2009年ドラフト1巡目で西武に入団。先発ローテーションの軸として活躍し、2016年から2018年まで3年連続で開幕投手を務めた。左腕から繰り出す最速158キロの直球や鋭いスライダーを武器に、2017年には最多勝利、最優秀防御率を獲得し、ベストナインにも選出された。
かねてからの希望であったMLB挑戦を球団に直訴していたが、2016年オフには「17年シーズンから2年連続2桁勝利、そしてチームのリーグ優勝を達成すればポスティングの利用を認める」という条件を提示されたとの報道があり、西武は、球団に貢献したうえでの挑戦であれば認める方針を打ち出していた。
菊池は、昨季16勝を挙げて条件をクリアすると、今季も23試合登板、163回1/3を投げて防御率3.08、153三振を奪い、14勝4敗の成績を残した。西武もリーグ優勝を成し遂げた今オフ、西武はついに菊池念願のMLB挑戦を容認した。
有望な若手左腕先発投手はMLBでも価値が高く、複数球団が獲得に興味を示していた。最終的に落札を決めたのはマリナーズで、日本人の入団は史上10人目となる。
NPBでの通算成績は158試合登板、1010回2/3を投げて防御率2.77、奪三振903で73勝46敗となっている。
マリナーズ入団会見では、サッカーの本田圭佑選手(メルボルン・ビクトリーFC所属)に影響を受けて、英語で対応したという菊池。来季、異文化の中に飛び込んでいく左腕は、「目の前に世界トップ選手がいる中でプレーさせていただけるわけなので、そういう選手から多くのものを吸収したいと、野球に限らずですけど、生活面だったりとかも含めて、考え方とか、取り組み方も含めてですね、吸収することができたら、僕自身の野球にもつながる」と、野球の外からも吸収する意欲を見せた。
取材・氏原英明、文・ベースボールチャンネル編集部