2019年開幕投手は誰? 上沢・有原のエース候補か、「誰も傷つけないロドリゲス」か【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#93】
栗山監督は昨シーズンの開幕投手にロドリゲスを起用した。その決断にファイターズファンは一様に驚いた。しかし、そこには栗山監督の意図があった。
2019/01/20
後半戦で日本の野球に適応したロドリゲス
皆、「なぜ、ロドリゲスだったのか?」をペンディングしたままシーズンを過ごした。そしていつしか忘れてしまった。北海道地震の後、再開された本拠地初戦で久々にロドリゲスの名前を思い出したのだ。あれは一体、何だったのだろう?
冒頭のラジオの話に戻る。パーソナリティの斉藤こずゑさんは、栗山監督に「なぜ開幕上沢じゃなかったんですか?
当然、そうなると思って2月15日15時15分発表を待ってたんですよ」と斬り込んだ。上沢は2018年シーズンから背番号を「63」から「15」に変更していた。いい読みだ。面白い。もし、開幕上沢で行くとなれば栗山さんは(キャンプ中の)2月15日15時15分に発表して然るべきだ。
スタジオの栗山さんは苦笑していた。「そこは難しい。簡単じゃないんです」と前置きし、シーズン前、有原が故障で出遅れたことを語った。
「競って上沢(が開幕投手)ならいいけど、そんなビミョーな形でどっちか選べと言われても選べない。だからワンクッション置くじゃないけど、ロドリゲスなんです」
僕は「ええええっ、マジすか?」と脚立から落っこちかけた。ロドリゲスは単にロドリゲスではなかったのだ。話は二次方程式っぽい感じだ。XとYを組み込んだ方程式を解いたら答えは「ロドリゲス」だったのだ。「出遅れたエース第1候補・有原」と「エースに跳躍する可能性NO.1・上沢」という2人の、プライドというのか序列というのか、そのせめぎ合いを考えるとき、何かこう、ユーモアと新鮮味のある着地点はないかなぁと探るなかで「誰も傷つかないロドリゲス」が浮上したようだ。
そしてロドリゲスが誰も傷つけることなく打ち込まれ、2軍落ちしてる間に上沢がエースの格を手に入れた。2018年はそういう流れだったのじゃないか。となると2019年はどうなるのか?
上沢が押しも押されもしないエースとして立つのか。有原が真価を発揮して抜き返すのか。この「空位王座決定戦」は最高に面白い。いや案外、マルティネスがベルトを巻いたりしてなぁ。とりあえず斉藤こずゑさんに倣って、今年の2月15日15時15分は注目しよう。
そしてもうひとつの注目は「誰も傷つけないロドリゲス」だ。昨シーズン後半はだいぶ日本野球に適応した姿があった。意外と化けたりしないだろうか。大穴中の大穴として「2年連続開幕ロドリゲス」の大胆策はないのか?
可能性は限りなくゼロに近いが、頭の片隅には置いておきたい。ファイターズは何をしでかすかわかったもんじゃない。だから面白いんだと思う。
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