立身出世の鍵は“盗塁王” 数より率が求められる時代、変わりゆく盗塁の意義と変遷
2019/01/21
率と量の両立が求められる時代
平成後期は、2011、12年と“飛ばないボール”の時代が訪れる。数少ないチャンスを潰してしまわぬよう盗塁機会を減らしたセ・リーグに対し、ソフトバンク・本多雄一を筆頭とした、チャンスで積極的に得点を狙ったパ・リーグという構図が見える。
セ・リーグでは、今オフ巨人にFA移籍した丸佳浩や、中日・大島洋平らが台頭。パ・リーグでは、日本ハム時代の陽岱鋼や西武・金子侑司らがレギュラー奪取のきっかけをつかんだ。
後期後半は、山田哲人と西川遥輝の時代といえるだろう。30以上の盗塁数に加え、成功率85%以上を誇る二人は、異次元だ。2016年の山田、2018年の西川は、歴代盗塁王の成功率トップ2であり、数だけ多くても意味がないと言わんばかりの成績だ。成功率の高い盗塁は、現代野球の必須科目となってきている。
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