英語でコミュニケーション!チームに“教師”が帯同するベイスターズ
横浜DeNAベイスターズは現在、チームに英語教師を帯同させ、主にスタッフを対象にレッスンを行っている。そのユニークな取り組みは、まさに“世界標準“へ突き進む、球団の姿勢そのものといえよう。
2019/01/23
外国人選手とのコミュニケーションも密に
約20年の時を経てファミリーの一員となった平川氏は、試行錯誤しながら英語をスタッフたちに教えている。
「基本的に教科書はなく、コミュニケーションを取りながらのリスニングとスピーキングが中心になります。チームに帯同しているのでシーズン中は昼から夜までスタッフの方々と一緒にいますから、時間を見つけたら30分~1時間、個人レッスンをしています。球場や滞在先のホテル、忙しい方も多いので、時には移動のバスや新幹線の中でも教えます」
基本的にスタッフとは毎日接するので、通常の英会話教室のように週1~2回というわけではなく日々の積み重ねがあり、英語力は平川氏が驚くほど確実に伸びているという。
会話の内容は、決まったものはなくその人が興味あることについて。当然、野球に関する会話が多くなる。
「日本の野球は和製英語が多いので、私自身も勉強になっています。例えば“ネクストバッター”は英語では“On-deck”、“ツーベースヒット”は“Double”といった感じで、その言葉を単に教えることが目的ではなく、あくまでも興味を持って自然な会話をすることを大切にしています」
英語を活用しようという輪はチーム内にも広がっており、外国人選手と密な会話をしたいと現地点ではレッスン対象ではない選手やトレーナーからも英語に関して、いろいろなことを聞かれるという。
またシーズン後は秋季の奄美キャンプに帯同をし、スタッフと接する機会の少ないオフはスカイプなどを活用しレッスンをしているというから驚きだ。
この1年、平川氏のレッスンを受けてきたチーム付広報の渡邊雅弘氏は、その成果を次のように語る。
「ブライアンに英語を習うまでは、外国人選手と接することはあっても英語には抵抗を感じており、通訳を通した会話ばかりでした。しかし今は直接会話することも多くなりましたし彼らが何を伝えたいのか興味を持つようになりました。少しは話せるようにもなっていますよ」
コミュニケーションこそ無形の財産。球団とチームは英語によって、他球団とは異なる進化を遂げつつあるようだ。
平川氏は明るい表情で言う。
「今シーズンまた新たなスタッフも入ってきますが、リスニングをやってきた2年目の人はスピーキングを中心に、将来的にはもっと自然な会話ができるように教えていきたいですね」