映画の内容を体現する田中賢介、2006年SHINJO劇場の再現なるか【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#95】
映画『ファイターズ・ザ・ムービー』が公開された。スポーツマネジメントとして新しい球団の形を示し、北海道民から愛されるファイターズ。日本一奪還を目指す今シーズン、すでに引退発表をしている田中賢介がカギとなる。
2019/02/17
「北海道日本ハムという球団」が主人公の映画
映画『ファイターズ・ザ・ムービー』の公開初日(2019年2月15日)に新宿ピカデリーに行った。朝8時半の回だ。いの一番に見たくて、6時台の山手線で移動し(さすがに座れた)、歌舞伎町のバーガーキングで時間をつぶした。宮田征典(1970年代に巨人で活躍した右腕。日本のリリーバーの草分け)じゃないけれど「8時半の男」だ。僕のようなフリーランスはいいけれど、一般ファンは平日朝イチの回にどのくらい来れるんだろう。
座席はネット予約で選んでおいた。「F-18」番、吉田輝星だ。ちょっと心配したのは、この映画を見る人は(しかも公開日の初回に見る人は)大のファイターズファンに違いないということだ。前からA、B、C、D‥と列があって、好きな席を選んでいいなら当然、F列を選ぶだろう。そして僕のように選手の背番号にひっかけて予約をしそうなもんだ。僕は1週間前、新宿ピカデリーの予約が解禁になってすぐ取ったからまだ選び放題だったんだけど、もしかして今日これから劇場へ行ってみたらF列だけが異様にびっしり埋まっていて、他がガラガラだったりするのだろうか。関東だから特にL列とM列にはひと気がないのだろうか。
新宿ピカデリーは座席がゆったりだから、F列が全部埋まっても別に窮屈なわけじゃないが、僕は半ば浦野博司ファンと金子弌大ファンにサンドイッチされる映画鑑賞を覚悟した。『ファイターズ・ザ・ムービー』は全国同時公開だから、ことによると北海道から沖縄までなぜかF列だけが異様に埋まる映画になるかもしれない。なかでも「F-7」と「F-9」は争奪戦がすごいのかもしれない。あ、今年から「F-4」もだなぁ。
※行ってみたらF列だけが混み合ってるなんてことはなかった。ただ思いのほか平日8時半の回がまぁまぁ入っていたのだ。みんな大したものだなぁ。
映画は大変面白いものだった。『ファイターズ・ザ・ムービー』というタイトルからスポーツドキュメンタリーを連想する方が多いと思うけれど、これは「あのビッグゲームの内側に迫る」式のスポーツドキュメンタリーではない。試合シーンはふんだんに使われているけれど、プレー内容そのものにはフォーカスされない。では、何の映画かというと「北海道移転以来の通史」であり、新しくブランディングされ、アップデートされ続ける「北海道日本ハムという球団」が主人公の映画だ。だから、スポーツドキュメンタリーというより、スポーツマネジメントのインサイドストーリーという趣きが強い。