オンオフ問わず外国人選手をサポート。DeNAベイスターズの通訳が一番緊張する場面は?
外国人選手の活躍いかんで、チームの成績は大きく影響する。そんな外国人選手が気持ちよくプレーするために、またチームメイトや監督・コーチ陣、さらにはファンとの円滑なコミュニケーションを行う上で、通訳の存在は非常に重要となる。
2019/02/20
日本での日常生活もサポート
外国人選手の“声”となり、縁の下でチームを支える通訳。日本にやって来た異国の選手の言葉を訳し、伝えるといった役目だけではなく、その仕事は多岐にわたり、チームにとっては欠かせない存在だ。
横浜DeNAベイスターズのスペイン語通訳の天野祥氏(写真右)は、ロペスをはじめソト、パットン、エスコバー、バリオスらDeNAにおける外国人選手について次のように語る。
「とにかくみんな切り替えが早いですよね。負けた日は落ち込みますけど、次の日はそれを引っぱることなくチームのムードを盛り上げてくれる。“シーズンは長いからいいときも悪いときもある”というのが口ぐせですね」
英語通訳を務める飯澤龍太氏も同調する。
「外国人選手はそれをすごく大事にしていて、日本人選手に対してもそれを伝えてくれるんです。若いチームにあって、非常に重要な存在だと思いますね」
天野氏は、入団して今年で5シーズン目を迎える。前職は南米ペルーの日本大使館で働いており、以前チームの通訳を務めていた人物と知り合いであったことからこの仕事のことを知った。
4シーズン目となる飯澤氏は、学生時代にオーストラリアのウィンターリーグで手伝いなどをした経験を持ち、その際にロサンゼルス・ドジャースとマイナー契約をしたことのある河本ロバート氏に勧められ通訳に興味を持ったという。
ともに学生時代に野球を経験し、公募を経てDeNAベイスターズに入団している。
選手の言葉を通訳するのは当然の仕事として、同様に重要な役割がプライベートにおける選手のサポートである。
「例えば新しい外国人選手は生活において右も左もわからないので、その面倒をみたり、また休日などは誘われれば一緒に買い物などに行ったりします。あと携帯メールで出前を注文してくれとか、タクシーを呼んでくれといったリクエストに応えたりもします」(天野氏)
「プライベートなことに関しては基本的には待ちのスタイルで、要望があってから動くといった感じですね。ですから休みでも休みづらいといったこともあります(笑)。あとは家族のサポートをすることも多く、選手や家族から“ありがとう”とお礼を言われると、すごく嬉しいなと思います」(飯澤氏)
春季キャンプからシーズン終了まで、オンオフ問わず外国人選手をサポート。これもすべては野球に集中して欲しいからだ。プライベートにおける付き合いは大変な面もあるが、一方で選手の性格や気質、考えを知る良い機会であり、信頼を深めるのにも役立っている。