野手最激戦区は「左打ちの外野手」。白村のコンバートは成功なるか?【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#96】
今季ファイターズ野手の最激戦区は、「左打ちの外野手」だ。その中に、キャンプ中に野手転向が決まった白村明弘が加わる。
2019/03/03
吉田輝星の紅白戦登板以上のキャンプの重大事
キャンプ日程が終了し、オープン戦が始まった。これから定位置争いがいよいよ本格化し、火花を散らす時期だ。2月後半の紅白戦、練習試合を見ると打線がなかなか活発で、早く開幕しないかなぁと思ってしまう。まぁ、ここからどう個々の選手やチームが仕上がっていくのか楽しみとしたい。
ただその前に今年のキャンプを総括しようと思うのだ。それもなるべく実感的に。たぶん2019年のファイターズ春季キャンプは「吉田輝星フィーバー」として振り返られると思う。報道の数は1軍のアリゾナより、2軍の国頭のほうが多かった。特にキー局のカメラが例年以上に国頭まで来てくれた印象だ。当然、ファンの目も吉田輝星に向く。どうだろう、今年のキャンプは「吉田輝星と柿木蓮が紅白戦で投げ合ったキャンプ」じゃないだろうか。10年後、ファン仲間が居酒屋で野球談議してる場面を想像しよう。
「えーと、2019年、元号が変わった年のキャンプっていうと‥」
「あ、あの年は輝星フィーバーでしょう!」
「金子弌大や王柏融も話題だったけど、やっぱり輝星の見出しが多かったね」
「前年の清宮フィーバーを超えてたんじゃない?」
「輝星と柿木が紅白戦に先発して、甲子園決勝の再現したんだよな」
「おー、懐かしい!」
こういう感じだと思うのだ。コアファンがGAORAで毎日見ていた(はずの)飯山塾は記憶から飛んでいる。僕の物差しでは吉田輝星の紅白戦登板よりも、「渡邉諒、右脇腹斜筋肉離れ(全治4~5週間)」のほうがキャンプの重大事(荒木大輔2軍監督も輝星はじっくり育てるとコメントしている。一方、渡邉諒のケガはセカンドの開幕スタメンに直接影響がある)だと思うが、スターが話題をさらっていく。プロ野球とはそういうものだ。
キャンプ直前、腰の手術に踏み切った清水優心とキャンプ中、脇腹を傷めた渡邉諒。もう、これは仕方のないことなので一日も早い復帰を祈るしかないが、本人はさぞ苦しんだことだろう。レギュラー獲りのいちばん大事なときに戦線離脱しなきゃならないのだ。特に渡邉諒の離脱は(張り切っていただけに)見てるこっちまで胸が絞めつけられた。
僕はセカンドは渡邉諒がいちばんレギュラーに近いと踏んでいた。昨シーズンの栗山監督は彼を一人前に育てるべく、ガマン強く使い続けた。が、これはいったん御破算にするしかない。2月の練習試合を見ていると、セカンドは石井一成と谷内亮太の併用である。この2人は守備が計算できる。谷内をトレードで獲っておいて本当によかった。谷内はショートも守れるから、中島卓也、石井、谷内の3人で二遊間を固めるイメージになると思う。もちろんセカンドは田中賢介がいるし、杉谷拳士もいる。打撃を重視して横尾俊建を起用する手もある。