”新平成の名勝負”森友哉対大谷翔平 90年代半ば生まれの野球ドラマの幕開け【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#4】
14日、札幌ドームの対ライオンズ戦、4連敗で3位に転落したチームを大谷翔平が8回1/3を1失点の好投で救った。
2015/05/16
ベースボールチャンネル編集部
さすが連敗ストッパー
連敗ストッパーはやっぱり大谷翔平だった。絶好調・西武を札幌に迎えての3連戦、先に2つ落とし(今季初の4連敗)、ファイターズには後がない。このまま西武や猛追ソフトバンクに置いていかれるのか。
連敗を止めるのはエースの役割だろう。西武7回戦、ゲームの主題はそこに尽きた。大谷はいつまでも特別扱いされる「二刀流スター」なのか。それとも文字通り大黒柱としてチームを支える覚悟があるのか。
右ふくらはぎがつって途中降板した4月20日以来のマウンド(実に中17日)は、野球ファンの注目を集めた。打線爆発の西武相手にどんな姿を見せるのか。栗山英樹監督はどこまでやらせるだろう。やっぱり「金のなる木」は大事に早いイニングで上がらせるのか。
そうしたら9回まで行かせた。すごかったよ。8回1/3投げて1失点、11奪三振。自在にギアを変え、西武打線をねじ伏せた。僕が見た大谷のピッチングではいちばんどっしりして見えた。2週間実戦を離れて、ウエイトトレーニングでみっちり鍛え直したらしい。試合中はスポーツドリンクをこまめに摂り、水分補給につとめた。
以前は「大谷はこんなに球速出して、肩が飛んじゃうんじゃないかなぁ」と心配したものだけど、今は下半身ががっしりして、安心して見ていられる。中村剛也、メヒヤ、森友哉と対戦した2回表はストレートがすべて150キロ超え、3者連続三振という圧倒ぶり。
なかでも見応えがあったのは森との三度の対決だ。一学年違い。当たるのがセンバツ以来という両雄の対決は、プロ野球の新時代を感じさせる「名勝負2.0」の幕開けだ。大谷が意識してる感じがビリビリ伝わる。森も最後、意地のヒットを放って面目を保つ。これから何度、この対決が見られるだろう。野球のある国に生まれてよかった。