最下位転落、ヤクルトの誤算 再浮上のカギは「先発陣」と「3割4人衆」【新・燕軍戦記#4】
好調だった4月から一転。5月に入って失速し、ついに最下位に転落してしまった東京ヤクルトスワローズ。はたしてその再浮上のカギを握るものとは……。
2015/05/16
大きな誤算だったバレンティンの再離脱
もっとも5月の失速の責を投手だけに押し付けるのは酷な話だ。昨シーズンはセリーグトップのチーム打率.279、両リーグNo.1の667得点(1試合平均4.63)を誇った打線が、ここまでは思うようにピッチャーを援護できずにいるからだ。
4月末の時点で.238だったチーム打率は、5月14日現在でもリーグ5位の.234。得点は開幕からの38試合で112、1試合平均で2.95と3点に満たない。その大きな原因に挙げられるのが、ウラディミール・バレンティン、ラスティングス・ミレッジの両外国人の不在だろう。
特にバレンティンに関しては、序盤はなかなか打線が点を取れない中で、昨秋に受けた左アキレス腱手術からの復帰が待ち望まれていた。それだけに、ようやく一軍に合流した4月24日の巨人戦(神宮)で今度は左大腿直筋に肉離れを起こし、再び戦列を離れてしまったのは大きな誤算だった。しかも5月13日には米国の医師によるセカンドオピニオンを求めて渡米しており、現時点では復帰の時期も未定である。
こうした状況を受け、かねがね「打線に関しては、ウチはバレンティンのチーム」と言い続けてきた杉村繁チーフ打撃コーチは「こうなったら山田(哲人)、川端(慎吾)、畠山(和洋)、雄平。去年3割を打ったこの4人次第」と助っ人不在の打線に言及。つまり打つほうでは、この「3割4人衆」がカギを握る存在ということになる。
15日の試合ではエースの小川泰弘が、2回裏に左のすねに打球を受けるアクシデントに見舞われながらも、7回を2失点に抑えた。伊藤智仁投手コーチはその前日、「1年間、安定した働きをしてもらいたいと思っていた小川、石川(雅規)、石山(泰稚)、成瀬(善久)が、今は4人が4人とも調子を落としている。ここが踏ん張りどころですね」と話していたが、負けたとはいえ小川がチームとしては9試合ぶりのQSを記録したのは、今後に向けての光明と言っていい。
あとはこの試合で計2安打に終わった「3割4人衆」を中心に、打線がどれだけ投手陣を援護できるか。まずはチーム一丸となって、連敗を止めるしかない。
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