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9、1、2番が機能するか――清宮離脱も、開幕戦勝利で見えた一つの打線の形【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#98】

開幕戦は中島、淺間、西川でチャンスメイク、中軸がタイムリーという理想的な形で勝利を手にしたファイターズ。清宮が故障で離脱しているものの、このような展開が増えるかが今後の戦いのポイントになる。

2019/03/31

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清宮離脱で、淺間にチャンス

 開幕あけましておめでとうございます。今シーズンもどうかファイターズ及びファイターズチャンネルをごひいきに願います。例年通り、今年も我が家は赤飯で開幕を祝いました。平成のはじめ頃、所帯を持ったときに「あのすいません、僕にはですね、お正月の他に、『俺の正月』という行事があります」と申し出てみたのだ。「俺の正月」というのはプロ野球開幕の日だ。結婚したら奥さんに赤飯を炊いてもらうのが夢だった。それまで独身時代はコンビニやスーパーの赤飯おにぎりで祝ってきたのだ。今年はごましおを切らしていて、あわてて試合直前、サンダルをつっかけて丸美屋のごましおを買いに行った。
 
 平成最後の「俺の正月」がやってきた。これがいきなり延長サヨナラというド派手な試合だった。しかも最後が(二者連続申告敬遠の後の)中田翔満塁ホームランと来ている。近藤健介、中田翔と中心打者が打っての逆転勝利だ。これ以上ない形だった。逆転勝利はいい。チームに勢いをもたらす。去年の開幕シリーズが西武戦3連敗スタートだったことを考えると、2019シーズンは最高の立ち上がりだ。
 
 いや、僕は非常に心配していたのだ。オープン戦初期は大田泰示、清宮幸太郎がスーパー絶好調で、ファン仲間と「今、開幕してくれないかなぁ」なんて言っていた。それが清宮が骨折・離脱し、大田の調子も落ち着いてきてしまい、投手陣ではマルティネスの故障(右前腕屈筋損傷、全治1ヶ月)が明らかになるなど、開幕が近づいて不安のタネが増えた。ちなみにオープン戦成績はうちが最下位だ。まぁ、オープン戦の成績はアテにならないものだけど、大丈夫かなぁ。
 
 僕は清宮の離脱はどこに跳ね返るだろうかと、ずっと考えていた。言うまでもなく、2年目の清宮は今年のキーマンだ。復帰は少し先になるだろうが、シーズン途中からガンガン働いてもらいたい。が、彼の骨折・離脱でひとつポジションが空いたのである。そこにすべり込んだのは誰だろう? 開幕戦スタメンを振り返ろう。
 
 1、淺間大基(三)
 2、西川遥輝(中)
 3、近藤健介(指)
 4、中田翔(一)
 5、王柏融(左)
 6、大田泰示(右)
 7、石井一成(二)
 8、鶴岡慎也(捕)
 9、中島卓也(遊)
 
 清宮はファーストか指名打者、もしくはレフト起用だろう。開幕スタメンで注目すべきはサードのポジション争いをしていた通称「三人衆」、近藤、大田、淺間が揃って名を連ねているところだ。もし、清宮が万全なら「三人衆」の誰かはスタメンを外れていた気がする。と、どうだろう、近藤健介はまさか外せない。大田も貴重な右のスラッガーだ。つまり、オープン戦後半、打撃好調だった淺間を泣く泣く外さざるを得なかった可能性が高いと思う。
 
 僕はこの試合、初の開幕スタメン淺間に注目した。プロならここでチャンスをものにして、清宮の出る幕をなくしてしまうくらいでいい。がんばれ淺MAX! 栗山采配の妙はそんな淺間を1番に据え、スピードスターの西川を2番にしたところだった。西川の打力を生かそうという発想だろう。栗山監督は「143通りのスタメンがあり得る」というコメントを発しており、これで打線確定というわけではないのだが、僕は「淺間、西川」の1、2番は魅力があると思う。もっと言えば「中島、淺間、西川」の打順の並びだなぁ。チームが優勝する年は1、2番、もしくは9、1、2番が機能するものだ。ここが相手をかきまわし、チームをけん引していかないと優勝はない。

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