西武・増田達至が守護神に返り咲いた理由とは。増井浩俊・山﨑康晃にも共通するクローザー的思考からの解放
埼玉西武ライオンズの増田達至投手が北海道日本ハムファイターズ戦（7日、東京ドーム）で今季初セーブをマークした。昨季は2軍降格など苦しいシーズンを過ごしたが、今季は6登板で防御率1.29（18日時点）と抜群の安定感を誇る。9回のマウンドに帰ってきた男は、昨季までと比べてどのように変わったのだろうか。
2019/04/19
「チームが勝てばそれでいい」
誰しもがクローザーをいつまでもやっていたいと思うものだろう。
しかし、リリーバーの勤続疲労への対策が先発投手ほどにデリケートに行われていない日本の野球界では、調子を落とす選手が出てしまうことが往往にしてある。それは仕方のないことだが、増井や山﨑が返り咲いたように、異なるポジションを任されたことで、その経験を生かしていくのも、長い野球人生においては、貴重な時間だろう。
「今年は本当どこでも任されたところでやろうという気持ちが強いので、守護神にこだわってはいないです。チームが最終的に勝てば、僕はそれでいいかなと思います」
淡々と変わらぬ口調で語るいつもの増田の言葉を聞いていると、やはり、クローザー向きだと思わずにはいられない。
そうした「クローザーへの熱い想い」を周囲が期待する中で、「チームが勝てばそれでいい」とあっさり語る増田の姿勢もまたいいものである。
氏原英明