再契約は136人中わずか9人。NPBが戦力外・引退選手の進路調査結果を発表、独立リーグが課題解決のカギとなるか
2019/04/22
独立リーグ振興がカギ? 長い道のりも球界全体の底上げへ
12球団合同トライアウトなどを経てNPB復帰を叶える選手も少数ながら存在するが、やはり1つの球団が「構想外」と言い切れる存在との再契約に動く球団は少ない。トライアウトで大活躍しても契約が取れるとは限らないのが実状である。
しかし、BCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスでは、村田修一コーチが2018年、元阪神・西岡剛内野手と元中日・若松駿太投手が2019年に所属。選手兼任監督・コーチという立場で独立リーグ入りするかつてのスター選手も増える一方だ。福島レッドホープスでは岩村明憲氏(球団代表兼監督兼選手)、栃木ゴールデンブレーブスでは寺内崇幸氏が監督を務めている他、2018年には伊藤智仁氏(現楽天コーチ)が富山GRNサンダーバーズで指揮を執った。
さらに、昨年度のドラフト会議ではサンダーバーズの湯浅京己投手が阪神ドラフト6位、海老原一佳外野手が日本ハム育成ドラフト1位で指名を受けるなど、独立リーグ出身でも力のある選手がNPBに”殴り込み”をかける光景も珍しくなくなっている。
育成選手のレベルアップを目的とした3軍の試合では独立リーグや大学チームとの試合を組むこともしばしばで、独立リーグとNPBの実力差は年を追うごとに小さくなっていると見るのが妥当だろう。環境面の課題が改善され、さらにレベルが近づけば、NPBと独立リーグ間での移籍も当たり前に行われることとなり、全ての選手たちにチャンスが増えるかもしれない。著名な選手が所属すればファンやメディアの注目も集まり、興行面で成長、環境改善という良いサイクルを生むことも予想される。
多くの選手がセカンドキャリアに不安を持つ現状に、大改革は必須項目。現役引退後の進路に関する課題解決のいばらの道で、独立リーグはカギとなれるか。近年見られる”NPBと独立リーグの敷居の低さ”が、選手たちにチャンスを与えるだけでなく、若いアマチュア選手が広い視野を持って野球に打ち込むことを可能するかもしれない。