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NPB、平成最高のMVPは? 最高獲得回数はイチローと松井秀喜の3度、「中継ぎ」や「二刀流」での受賞も

2019/04/26

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歴史を作った選手たち

・「打者五冠」イチロー(パ・1995年)
130試合、打率.342、179安打、25本塁打、80打点、49盗塁、OPS.976
 
 この年のイチローは、打者五冠(首位打者、最多安打、打点王、盗塁王、最高出塁率)を達成。唯一タイトル獲得に至らなかった本塁打部門でも、1位の小久保裕紀と3本差の2位につけており、打者タイトル総なめに最も近い数字となった。受賞回数、傑出度のどちらをとってもイチローが平成最高のMVPにふさわしそうだ。
 
 
・「三冠王(5冠)」松中信彦(パ・2004年)
130試合、打率.358、171安打、44本塁打、120打点、2盗塁、OPS1.179
 
 この年、平成でただ一人の“三冠王”を達成した松中信彦。盗塁を除く打者タイトルをすべて獲得し、最強打者の名をほしいままにした。しかし、この年の福岡ダイエーホークス(現福岡ソフトバンクホークス)は、リーグ2位に終わっている。
 
 
・「中継ぎ投手でMVP」浅尾拓也(セ・2011年)
79試合87回1/3、7勝2敗、10セーブ、45ホールド、100奪三振、防御率0.41、WHIP0.82
 
 リリーバーのMVP獲得は、1998年の“大魔神”佐々木主浩や、2017年のデニス・サファテらがいるが、中継ぎ投手に限れば、浅尾拓也だけだ。この年の浅尾の役割は、セットアッパーだけにとどまらず、岩瀬仁紀に代わって抑えとしても活躍。79試合に登板し、防御率0.41に抑える大車輪の活躍で、MVP受賞に至った。
 
 
・「24勝0敗1S」田中将大(パ・2013年)
28試合212回、24勝0敗、1セーブ、8完投、2完封、183奪三振、防御率1.27、WHIP0.94
 
 突出した数値で言えば、平成時代に限らずとも、2013年の田中将大に並ぶ成績はそうそうないだろう。28試合で24勝を挙げる驚異の勝ち運はまさに“神の子”と呼ばれるにふさわしい。防御率も先発投手としては群を抜く1.27を記録するなど、奇跡の一年となった。
 
 
・「トリプルスリー+100打点」山田哲人(セ・2015年)
143試合、打率.329、183安打、38本塁打、100打点、34盗塁、OPS1.027
 
 2015年は、セ・リーグの山田哲人、パ・リーグの柳田悠岐がともに「3割30本30盗塁」をクリアしてMVPを受賞したトリプルスリーイヤーとなった。山田は加えて100打点も達成。柳田は99打点とわずかに届かなかったが、ともにオールラウンドプレーヤーとして、ほぼ毎年MVP候補として挙げられる存在となった。
 
 
・「二刀流」大谷翔平(パ・2016年)
21試合140回、10勝4敗、1ホールド、4完投、1完封、174奪三振、防御率1.86、WHIP0.96
104試合、打率.322、104安打、22本塁打、67打点、7盗塁、OPS1.004
 
 投げては防御率1点台で2桁勝利、打っては3割20本の成績で、チームを日本一へと導いた。ほかの選手が真似できない唯一無二の成績を残した大谷は、海を渡った現在でも、メジャーの舞台で輝きを放っている。イチロー以来となるメジャーでのMVPにも期待したい。
 
 
 
 平成時代のMVP選手を振り返ると、時代の流れが見えてくる。投手では、先発完投型の選手ばかりだったのが、投手分業がすすみ、救援投手にもスポットライトが当たるようになってきた。打者は、求められるものが多様化し、本塁打王と盗塁王を同時受賞した山田を筆頭に、走攻守全てにおいて高いレベルの選手たちが増えている。また、2016年の新井貴浩(広島)のMVPも印象的だ。残した成績はもちろん、数字だけでは測れない貢献が大きく評価されていた。
 
 そして、二刀流の出現。大谷を見て育つ選手たちが、また新たな選手像を作っていくのだろう。新元号「令和」では、どんな選手が歴史に名を刻んでいくのか、今後も見届けていきたい。

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