日本ハム・吉田輝星、4回4K無失点の好投 納得のストレートに「今までで一番よかった」
2019/04/29
北海道日本ハムファイターズのゴールデンルーキー・吉田輝星投手が、29日、鎌ヶ谷スタジアムでのイースタン・横浜DeNAベイスターズ戦に先発し、4回を4安打無失点4三振に抑える好投を見せた。
吉田輝は1回、1死から連打を浴びて二、三塁のピンチを招くも、4番の細川成也を三振に切って取ると5番の山下を遊撃へのハーフライナーに抑えてピンチを脱する。2回は2連続三振などで三者凡退。3回に、2死から2番の百瀬と3番・飛雄馬に連打を浴びるも、4番・細川を空振り三振に仕留めた。4回は三者凡退に抑え、5回からは2番手の西村天裕にマウンドをゆずった。
試合後、吉田輝は「今までで一番良かった。特にストレートが今できる最大限のボールでした。今までは変化球が入らなくてストレートしか投げられない状態が続いていたんですけど、今日は変化球でカウントも取れたし、三振も取れた。そして、その中でもストレートで勝負することもできた」と手応えを感じたようだ。
昨夏の甲子園、吉田輝は、低めからの伸び上がるようなストレートを武器にしていたが、それに近いような球筋がいくつもあり、「見逃しのストライクを取れたのは、その証拠だと思う」とはにかんでいた。ストレートのMAXは146キロ。「今は144キロがアベレージでいい感じですけど、これが力を入れた時に140後半とか150出せればいいと思う」と先を見据えていた。
一方、気になったのは、ストレートが時にスライドしてしまうところだ。
悪い時は右の外に甘く入っていて、それがこの日、飛雄馬に2安打されたのだが、逆に、左打者にはインコースに食い込んでいく絶品球になっていた。よし悪しがあるのだが、大事なのは吉田輝がそのことをどう捉えているかだろう。
吉田輝の次の言葉からは彼の意識の高さを感じ取れる。
「ちょっとスライドしながらの軌道になっているボールが最近は多くなっています。それはデータとしても出ているんですけど、ただその中でもしっかり低めからスライド気味に伸びていければ、バッターからすれば、見たことのない球なので打ちづらくもあるのかなと感じでいます。(意識としては)ボールがスライドしても、球自体が落ちなければ良いというイメージで投げています」
この日は、ストレートの他に、スライダー、スローカーブとツーシームを投じていた。スライダーで空振り三振を取れた場面もあり、吉田輝は登板するたびに、進歩している印象だ。
球数は65球とまずまずだった。高卒1年目としては上々のゲームの作り方だが、今はまだそこを心配する段階ではない。腕をしっかりと振り、本人が望むようなピッチングをすることが、1軍への道へと続いていくはずだ。
氏原英明