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鬼門・交流戦へ ヤクルトの新外国人デニング、チームの起爆剤になるか?【新・燕軍戦記#5】

今季は好スタートを切りながら、現在はBクラスに沈む東京ヤクルトスワローズに、新戦力が加わることになった。ミッチェル・ジョン・デニング、26歳。かつてはボストン・レッドソックス傘下のマイナーでプレーし、今季は独立リーグ、BCリーグの新潟アルビレックスに所属していた。いったいどのような選手なのだろうか。

2015/05/26

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「モチベーション続けば打率.290、15本塁打も」

 1988年にオーストラリアで生まれたデニングが、同国のMLBアカデミー参加を経てレッドソックスと契約したのは2005年、まだ17歳になって間もない頃だった。07年にはマイナーのルーキーリーグで47試合に出場して打率.301、翌08年はマイナー1A(ショートシーズン)でリーグ5位の打率.321をマークし、球団内の若手の期待度ランキングで25位に入っている。当時のデニング評はこうだ。

──スムーズなスイングでボールをしっかり捉える打者である。逆方向に打つ能力があり、ボールの見極めもうまい。内角球のさばきも巧みで、右中間を抜くパワーもある。レフトとライト、どちらの守りも良く、肩や打球判断にも平均以上のものがある──。

 09年は開幕前のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に、オーストラリア代表として出場。シーズンでは1Aで106試合に出て打率.261、3本塁打ながら、20盗塁と機動力も発揮した。翌10年は1A(アドバンスト)で打率.274、3本塁打、11年は2Aで打率.220、6本塁打と、マイナーで着実にステップアップしながらも成績は伸び悩んだ。

 翌12年の開幕直前にレッドソックスから解雇され、このシーズンは米国内の独立リーグでプレー。オフにはオーストラリアの国内リーグで打率.347、5本塁打の好成績を残すと、翌春のWBCに豪州代表として選出され、全3試合に2番・中堅でフル出場した。

 その5月に来日し、BCリーグの新潟に入団。1年目は打率.370でいきなり首位打者に輝いた。この時、本塁打と打点の二冠を獲得したのが、今年からオリックスに復帰したフランシスコ・カラバイヨである。2年目の13年は打率.321、12本塁打、今季はここまで18試合の出場で打率.270、1本塁打。元埼玉西武ライオンズで、昨年はBCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスでプレーした星秀和氏は、あくまでも昨シーズンの印象としながらも、デニングをこう評している。

「ホームランバッターではないですが広角に打つタイプで、追い込まれた後にバッティングをしっかり変えられる選手です。僕がやっていた時はおもにライトを守っていて、守備もそこそこできますし、特に走塁に関してはアグレッシブなイメージがあります。めちゃめちゃ足が速いわけではないですが、隙があればガンガン走ってきました。シーズン途中ですけど、モチベーションが続けば打率.290、ホームラン15本くらいはやると思います」

 ヤクルトはここ2カード連続で勝ち越し、特に打線はここ2試合で計21得点を挙げるなど上昇傾向にある。とはいえ26日からは、過去5年負け越しの続いている交流戦が始まる。この『鬼門』を乗り切るためにも、小川SDが言うようにデニングの加入で「チームがいい方向に変わる」ことを期待したい。

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