米ドラ1・スチュワートがソフトバンクと契約合意。学ぶべき「選手ファースト」の姿勢、価値に見合った評価を得られる交渉を
福岡ソフトバンクホークスが、2018年MLBドラフト1巡目指名(アトランタ・ブレーブス、全体8位)のカーター・スチュワート投手と契約合意を果たしたと米公式サイト『MLB.com』が報じた。今回の合意の陰には、代理人スコット・ボラス氏の存在がある。日本の選手にとっても、今後交渉の重要性は増していくことになるはずだ。
2019/05/23
菊池雄星が勝ち取った契約
周知のように、菊池はマリナーズと最大7年の大型契約を結んだ。
4年目以降に再契約を含んだオプションとなるが、その契約条項の中に、菊池の体調面を慮った条件がはいっている。菊池は4月26日(日本時間27日)のレンジャーズ戦で1イニングのみの先発という異例の登板をこなしたが、その背景にはマリナーズ首脳陣の菊池への配慮もあるが、そもそも、年間のイニング制限を勝ち取った契約があるからに他ならないのだ。
かつて日本の選手は多くが1年目からフル稼働を課せられ、体に異常をきたしてきた。菊池は日本での登板こそ、それほど多くないと言っても、中4日の登板間隔やマウンド、ボールへのアジャストを考えると、1年目からフル回転してしまうと、ショートしてしまう可能性もある。
どれだけ配慮をしても故障は避けられないというのは事実であるが、選手を守る側の代理人としては、出来うる限りの対策を条項に入れたというのは、菊池の将来を考えてのことなのである。
もちろん、クライアントである選手の中には「お金」が最重要なケースがないわけではないが、選手にとって何が第一かを基本線にしているのである。代理人とは決して金額交渉役だけではないのだ。