米ドラ1・スチュワートがソフトバンクと契約合意。学ぶべき「選手ファースト」の姿勢、価値に見合った評価を得られる交渉を
福岡ソフトバンクホークスが、2018年MLBドラフト1巡目指名(アトランタ・ブレーブス、全体8位)のカーター・スチュワート投手と契約合意を果たしたと米公式サイト『MLB.com』が報じた。今回の合意の陰には、代理人スコット・ボラス氏の存在がある。日本の選手にとっても、今後交渉の重要性は増していくことになるはずだ。
2019/05/23
将来を見据えて入団を決めるべき
ドラフトで指名を受けて、さも入団が決まったような流れで契約するのではなく、しっかりと交渉をする必要がある。入団前に代理人と契約するかどうかは差し置いても、自分たちの商品価値や将来のビジョンを検討に入れて入団を決めるべきではないだろうか。
今年のドラフトでは、大船渡の佐々木朗希をはじめとして、奥川恭伸(星稜)、西純矢(創志学園)、及川雅貴(横浜)、大学生では森下暢仁(明治大)など、NPBでの活躍だけでなく将来的なメジャー挑戦への期待ができる人材が多くいる。直接のメジャー挑戦はリスクを伴うと考えた時に、日本で活躍してから海を渡るという選択肢は当たり前のように、彼らの中にはあるはずだ。
そういうビジョンがあった時に、これまでのように、球団主導の、いわば、指名=即契約という当たり前のように流れていくのではなく、メジャー志向のある選手は、契約条項にもポスティングの容認などを交渉していくことも、必要になってくるのではないか。
今回のニュースは前代未聞の一大事として、日米球界を揺るがしたのは間違いない。ソフトバンク以外の球団は高みの見物といったことになるだろうが、今の日本の選手たちの権利は本当に真っ当なものであるのか。アマチュアの選手は入団前であっても、将来ビジョンを描きどういう方向に進むかを考えて入団を決めるべきだというメッセージをくれているような気がしてならない。
氏原英明