【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】MVPは菅野が最有力? 際立つ四球数の少なさ。ジャイアンツ、優勝の功労者は先発投手陣
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。第4回目は、巨人の優勝の要因を数字から考えてみた。
2014/09/29
試合を作った先発投手陣
先発投手陣は、54勝38敗、6割近い高勝率を残している。防御率も3.41だ。
平均投球回数は阪神に次ぐ2位。
何よりも素晴らしいのは先発投手の四球の少なさ。
1完投当たりの四球数BB9は、わずか2.43個。一番悪い中日とは1個近くの差がある。
先発投手が無駄な走者を出すことなく、きっちり責任投球回数を投げ抜き「試合を作る」ことができるから、苦しい打線・救援陣でも勝ち抜くことができたのだ。
先発投手を見てみよう。
二けた勝利は杉内俊哉と菅野智之だけ。それでも平均投球回数は6回前後、BB9も杉内から小山まで2点台をマークしている。
誰が投げても6回程度を自責点3程度、つまり「QS」はクリアすることができるのだ。
今年の巨人にはMVP候補がいないと言われるが、こうしてみると菅野が「比較的優秀」であることがわかる。
故障で戦線離脱したために投球回数は物足りないが、平均投球回数が7回を超えているのは素晴らしい。
今年の巨人は「真面目にコツコツ投げた先発投手陣」のおかげでペナントを制したと言うことができそうだ。