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山崎武司も認めた長打力 イーグルス・中川大志、レギュラー定着となるか?

プロ7年目の楽天・中川大志が奮闘している。二軍の実績が一軍に結びつかない苦しい時期を乗り越えて、ようやく飛躍の時を迎えようとしている。

2015/05/28

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バットの長さを変えて打撃が開花

 打撃好調の秘訣はバットの長さを1インチ(2.54cm)短くしたことにある。
 昨年オフに派遣されたオーストラリアのウインターリーグ。慣れない環境で持ち球・球筋など情報がない投手との対戦の連続である。難しい状況に対応するため、バットを34インチから33インチへ変更した。

 この決断が大きかった。
 短くしたことで扱いやすくなり、バッティングポイントが広くなった。バットを思ったところに出しやすくなったと本人も自信を深め、異国の地で打率.315の好記録をマークした。この経験が今年2軍でも受け継がれ、広角打法として大きく花開いた。2軍で放った32本の安打の打球方向を確認しよう。カッコ内は長打数。

■2軍での安打打球方向
左翼11(二塁打1)、左中間1(本塁打1)
中堅7
右中間2(二塁打1、三塁打1)
右翼9(二塁打4)
三塁1
遊撃1

 長距離砲のため普通なら引っ張りたい打者心理が働きそうなところ、バッティングポイントが増えたことで広角にまんべんなく打ち分けていて、その傾向は1軍でも確認できる。

■1軍での安打打球方向(27日時点)
左翼8(二塁打3、本塁打1)
中堅7
右翼3(二塁打2)
遊撃1

 左翼が最多8本だが、センターから右方向でも数多くヒットが飛び出していて、フェンス直撃の二塁打を放つなど、長打力も健在だ。

 バットを短くしたことで、課題とされていた変化球への対応力も格段に上がった。なにより、体勢を崩されかけながらも巧打でヒットにしたケースが少なくとも5本もある。

 象徴的な打席が24日の西武戦にあった。
 1点リードの3回1死2塁の第2打席。1打席目は郭俊麟の110キロ台のカーブに苦しみ三振に倒れていた。第2打席では、前の打席で苦汁をなめさせられた外角低めのカーブにくらいつき、中前へ。このつなぎの一打でチャンスを広げ、その後、打線が郭俊麟を攻略している。
 
 銀次を怪我で欠く楽天。交流戦も中川のバットがチームを助け、ファンの心を鷲づかみにするはずだ。27日の阪神戦はスタメンを外れたが、これからが本当の意味の勝負となる。7年目の大器晩成。1軍の大舞台へ大きく羽ばたかんとする背番号56の活躍に舌鼓を打ちたい。

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