西野、山崎、亀澤、高木勇…2015年新人王レースは?【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、ペナントレースの行方とともに、少々気が早いが新人王候補について考えてみた。
2015/05/29
DeNA・山崎、巨人・高木が一歩リード
セリーグも見ていこう。まずは投手だ。
DeNAの新守護神、山崎康晃の活躍が目立っている。2014年のドラフト1位だ。昨年、やはり1年目で守護神を務めた三上の故障もあり、大卒1年目で開幕からクローザーを任されると、これがはまった。
5月の月間10セーブは新人記録で、18セーブはリーグ1位。新人王だけでなくタイトルも狙える位置にいる。DeNA首位の原動力といえる。
巨人の高木勇人はドラフト3位。4月にいきなり月間MVPに輝いた。開幕から先発ローテーションの一角に定着し、トップタイの6勝を挙げている。
続いて野手だ。
中日・亀澤恭平は四国アイランドリーグplusの香川から2011年に育成2位でソフトバンクに入団。昨年までウエスタンリーグで好成績を残すも、一軍出場機会に恵まれず、昨年オフに中日に入団した。オープン戦で結果を残すと、開幕後は二塁のレギュラーに定着し、3割を打つ活躍を見せている。
今年の新人王レースを見ると、DeNAの山崎を除くとドラフト中・下位指名の選手の活躍が目立つ。
世代交代期の球団も多く、チャンスが与えられていることも大きいだろう。
過去10年の両リーグの新人王を見ていこう。
1年目の選手が受賞することが多い。記者の投票による表彰のため、同じ程度の数字を残した選手がいれば、ルーキーに票が集まることが多いようだ。
パリーグは1998年に小関竜也(西武)が外野手で受賞して以来、投手が受賞している。オリックスの西野には17年ぶりの野手の新人王の期待がかかる。
セリーグはDeNA山崎、巨人・高木が有望だが、中日の亀澤には2009年の巨人松本哲也以来の「育成枠出身の新人王」の期待がかかる。一度は自由契約という地獄を味わっているだけに、こういう選手が受賞となれば、同じような境遇の選手にとっても励みになるのではないだろうか。
もちろんペナントレースは三分の二残っている。新人王は、規定打席や規定投球回数に達しなくても受賞が可能だ。交流戦途中や夏場以降に一軍に昇格して、目覚ましい活躍をする“ダークホース”が出てくる可能性も十分にある。
ペナントレースとともに新人王レースにも注目したい。
ベースボールチャンネルのフェイスブックはこちら→
ベースボールチャンネルのツイッターはこちら→