交流戦で感じる「他流試合」 ファイターズ野球の魅力はどん欲に進塁する走力だ【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#5】
11年目の交流戦が始まった。今年から一部ルール改正はあるものの、リーグを超えた試合はやはり魅力的だ。
2015/05/30
ベースボールチャンネル編集部
ビジターゲームで感じる他流試合の魅力
交流戦が始まって神宮球場へ日参したのだ。5月なのに東京は連日の真夏日だった。陽が暮れかけてスタンドを渡る風が心地よい。神宮最高! やっぱり野球は外で見るものだなぁと思う。長年、ドーム球場を本拠地にしてきたファイターズのファンとしては格別の喜びがある。
あとセリーグの球場はアクセスがいいね。普段、西武プリンスドームかQVCマリンに行くしかない東京在住のF党には、地下鉄でひょいっと行ける感覚が夢のようだ。所沢や幕張、勝てばいいけど、負けた日は帰り道が絶望的に遠いんだよ。考えたら東映時代、うちも神宮球場を本拠地にしてたことがあったんだよなぁなんて、半袖シャツを撫でていく風を楽しみながら思ったのだ。
交流戦はビジターゲームが面白いと思う。見慣れた選手を見慣れない球場のなかにポンッと置いてみる楽しさだ。いちばん思い出深いのは広島市民球場ラストイヤーに見たダルビッシュ有の姿だなぁ。昭和を代表する野球空間にダルビッシュが立っている感慨。今年の神宮3連戦もメンドーサ、浦野博司、上沢直之を見た。みんなカンタンに点取られたけど、奮闘してる姿を胸に刻んだぞ。ここはブルペンからリリーフが出てくる感じもいい。屋宜照悟が出てきた雰囲気よかったぞ。ちょっと前なら星野八千穂だ。「たぶんこの試合勝てないだろうけど、念のためがんばってくれ」っぽい視線を浴び、ベストを尽くす姿がジンと来た。それこそ「昭和から連綿と続く神宮のリリーフ投手史に屋宜が参加した」瞬間なのである。
他流試合の魅力という意味では、流派が違う野球スタイルを味わい、また自分らのスタイルを再発見する楽しさがある。ヤクルトは打者が素晴らしかった。山田哲人や畠山和洋はわかっていた。今回は左バッター最高だなぁと感心した。雄平は一段とスケールが大きくなり、あと川端慎吾、藤井亮太が存在感を増している。きっちり振れるんだよね。そして気持ちが前向き。パでは西武がこういう持ち味だ。これでバレンティン、ミレッジがいたら一体どうなっちゃうんだという刺激的な打線。ペナントレース序盤、順位的には苦しんでるようだけど、ヤクルトファンは毎日、充実してると思う。