交流戦の原点を忘れずに 大谷翔平の1試合での二刀流を期待【小宮山悟の眼】
11年目を迎えた交流戦が始まった。今季はルール・システムに大きな変更が施された。しかし、どんなルールであれ、交流戦導入時の原点を忘れてはならないだろう。
2015/06/01
2連戦から3連戦への変更は歓迎
今週5月26日から「セ・パ交流戦」が始まった。2005年の導入から11年目を迎える今季は、そのルール・システムに大きな変更が施されている。
まず、団体戦の概念が色濃く反映されるようになった。セパ両リーグのうち勝ち越したリーグの各チームに賞金が分配され、MVPもそのリーグから選出される。12球団のうち最高勝率を残したチームにも賞金が出るが、「交流戦優勝チーム」という表現はしない。また、昨年までオールスターゲームによって決定していたドラフト会議のリーグ優先権も、今年からは交流戦の結果によることになる。
最大の変更点は試合数だ。昨年までの各チーム24試合(2連戦×6チーム×ホーム&ビジター)から18試合(3連戦×6チーム)に減少。今季ホームで開催したカードは、来季ビジターで行われるという仕組みになっている。
個人的な好みから言わせてもらえば、1カードが2連戦から3連戦になったことは歓迎だ。3連戦3連勝は難しく、どのチームの指揮官も大抵は2勝1敗の勝ち越しを目指す。
仮に2連敗してしまったら、3連敗だけは何とか避けようと、3戦目はガツガツと前に出て強引に白星を掴みにいく。通常のレギュラーシーズンと同じく、そういう3連戦での駆け引きを楽しむほうが、個人的にはしっくりとくるからだ。ところが、1カード2連戦ではそうはいかない。1勝1敗の五分では物足りないし、2連戦2連勝を続けるのも無理があるだろう。
18試合では少ないという意見もあるようだが、果たしてそうだろうか。
たとえばMLBのヤンキースのスケジュールは今季、レギュラーシーズンの全162試合中、22試合がインターリーグに当てられている。そう考えれば143試合のうちの18試合は妥当だとも言えるだろう。もちろん、すべてMLBにあわせればいいのかといえば、決してそうではないが、試合数が減少したから少なすぎるという意見では短絡すぎる。
そのMLBのように、交流戦を通常のレギュラーシーズンの中に分散させ、「インターリーグをやるのは当たり前」とするのも、一つの理想形だろう。しかし、分散開催ではファンの興味を惹きつけにくいという面もある。冠スポンサーをつけ、短期間でコンパクトに開催する日本式にも一理あるのではないか。