「打ち勝つ」で活路のロッテ 首位打者“確変”の清田に続き、青松敬鎔に出番を【ほぼ週刊マリーンズ#4】
鬼門でもあった長期ロードを6勝5敗で切りぬけ、セリーグ首位のDeNA相手にも勝ち越し。極端な“投低打高”の戦いを強いられながらも、5月末までの50試合を終えた時点で、5割をキープするマリーンズ。今回はそんな特殊なチーム状況だからこそ、1軍のチャンスを与えてほしい、目下、イースタン本塁打王のあの男、青松敬鎔についてだ。
2015/06/01
「“投低打高”でも勝率5割」を支える好調な打撃陣
もはや、それが当たり前の光景にもなりつつあるが、マリーンズの“投壊”が止まらない。
5月23日の対バファローズ戦(京セラ)では、清田育宏のグランドスラムなどで6対0としながら、気がつくと一打逆転サヨナラ負けの局面にまで追いこまれ、続く28日の対カープ戦(マツダ)でも、12対3という大量リードが、あれよあれよという間に、なぜか守護神・西野勇士にセーブがついてしまう、まさかの展開。
久方ぶりのホーム3連戦となった、昨日31日の対ベイスターズ戦(QVCマリン)でも、7対0から、一時は2点差にまで詰め寄られる……などなど、ファンにとっては、どんな大量リードでも安心できない、とかく心臓に悪い戦いぶりが続いているのが実情だ。
唯一の4点台となる4.31(交流戦に限っては、5.43!)というトホホなチーム防御率で、12球団ワーストをぶっちぎる、そんな不甲斐ない投手陣を擁しながらも、いぜん勝率5割をキープできているのは、ひとえに先行逃げきりを可能にするほど好調な打撃陣の活躍があればこそ。
もっと言えば、「そろそろ終わるんじゃないか」と真顔で心配するファンをよそに、5月31日までに連続試合安打を「17」に伸ばして、規定打席にも到達した“首位打者”清田の“覚醒”がなければ、危機的なチーム状況に陥っていた可能性も大いにあると言えるだろう。
とは言え、かねて“水もの”と呼ばれるように、打線に好不調の波はつきものだ。
現在でも、復調しつつあった主砲・デスパイネの故障に加え、打点王争いに参戦中のクルーズは背中にハリ。5月31日の試合では、“春の妖精”荻野貴司までもが、明日から夏という奇跡的すぎるタイミングでの戦線離脱を強いられている状況だけに、これまでのようなノーガードの打ちあいを、この先も続けられるという保証はどこにもない。
もちろん、交流戦に入って以降、“確変”モードが到来しそうな気配もうっすら漂う鈴木大地、根元俊一あたりが、このままバカ当たりでもしてくれるなら話はまた変わってこよう。
だが、なにかの拍子に肝心かなめの投手力が劇的に改善する……などという都合のいいことがそう簡単には起きない以上、“投低打高”のマリーンズにいま必要なのは、とにかく「打ち負けない」陣容をキープし続けること。その一点に尽きるのだ。