鯉の優良助っ人シアーホルツとエルドレッド 共通点は「日本への適応の高さ」
優勝候補といわれながら、交流戦開幕時はまさかのセリーグ最下位のカープ。しかし、ここにきてようやく自慢の打線が復調してきた。中でもエルドレッド、シアーホルツの優良助っ人がチームに大きく貢献している。
2015/06/04
ベースボールチャンネル編集部
二軍で日本の野球に「馴れる」
開幕ダッシュに失敗、交流戦にセリーグ6位で突入したカープに明るい兆しが見え始めた。
田中広輔、菊池涼介、丸佳浩の1・2・3番コンビが出塁すれば、4番新井貴浩が無類の勝負強さでランナーを返す。それだけではない。故障から復帰したブラッド・エルドレッドや日本野球に馴染んだネイト・シアーホルツが一気にたたみかける。
いつの間にか、セリーグ2位の得点力(200得点、6月2日現在)を誇るまでになった。
流れを変えたのは外国人選手の存在であった。
メジャー通算52本塁打の大砲シアーホルツは不振による二軍落ちから戻ってくると、見違えるように長打を量産。4月の二軍降格時に打率1割を下回ったのが嘘のようにコンスタントに結果を出し始めた。
本人は日米の野球の違いに戸惑ったと本音を明かす。
「正直、日本とアメリカの野球に大きな違いを感じました。ストライクゾーン、変化球の多さ、それにフォークボールの質はもちろん、多投されることにも驚きました」
ファームでもシアーホルツは前向きだった。
メジャーリーグで培ったスタイルそのものを変える必要はなかった。
「基本はセンター方向へ打つことです。そして、外の球はレフト方向へ、インサイドはライトへ、そんなイメージを持っています」
メジャーでのキャリアから「パワーヒッター」のイメージが先行しがちだが、実は、広角にコンスタントに打つことに力点を置くプレーヤーなのである。
だからこそ、日本の野球に「慣れる」ことがポイントであった。
シアーホルツは、二軍で、「さまざまな投手の球筋を見ることで、(適応の)きっかけをつかむことができた」と力説する。