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森脇監督休養、福良政権に求められる「勤勉なプレー」の再構築【どら増田 のオリ熱コラム#40】

ついにこの時が来てしまった。借金15に膨れ上がったオリックス。球団は森脇監督からの休養の申し入れを了承。福良ヘッドコーチが監督代行として今季残り試合の指揮をとる。

2015/06/03

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ベースボールチャンネル編集部



借金15、指揮官の決断

「午後1時より都内のホテルで会見を行います」
 
 朝10時、球団からマスコミ各社にリリースが配信された。会見の内容については触れられていなかったが、リリースを読んだ時点で予想はできた。
 
 昨年チームを引き分けひとつの微差で優勝を逃す2位に導いた森脇監督。
 これを受けてフロントが球団史上最大級の大型補強に動き、優勝へ向けた本気度を見せたのは周知の通り。
 
 しかし、多くの誤算が生じた。
 まず大型補強した選手が軒並み故障で戦線離脱。ブランコ(2回目)、中島(2回目)、小谷野、バリントンといった補強組の全員が怪我により現在一軍不在というのは異常事態だ。
 
 昨年クライマックスシリーズ敗退直後に、森脇監督から開幕投手を指名され「オリックスで優勝したい」と残留を決めた金子千尋も開幕に間に合わず、先月ようやく復帰登板したがいまだ勝ち星はない。
 さらに昨年鉄壁とまで言われたリリーバーもセットアッパーの佐藤達也が5敗を喫し、ストッパーの平野佳寿は防御率5.40と役割を果たせていない。
 
 打線では今年キャプテンに就任した糸井が打率.228とここまで絶不調。
 こうした負の連鎖がオリックスを襲った結果、5月終了時点で借金15、自力優勝消滅となり、森脇監督休養という事態に発展した。
 
 森脇監督の会見が行われている最中、SNS上ではオリックスファンが「なんだかスッキリした」という今回の件を肯定するものから「チームの低迷は森脇監督のせいではない」といった否定的なものまで、様々な意見を絶え間なく発信していた。その中でフロントの責任を追求する意見も多数出ているのだが、これに関しては会見でも質問が出ていたので触れておきたい。
 
――大型補強をしたのにもかかわらず、低迷しているチームについてフロントはどのように感じているのか?
 
「フロントも責任は感じております。こんな大変苦しい中、一生懸命指揮をとってくださった森脇監督には感謝しておりますし、補強組に故障者が出ていることは大変申し訳ないです」(瀬戸山球団本部長)
 
 あくまでも結果論として補強の失敗を指摘する声もあがっているが、オリックスファンにとって合併後、開幕前にこんなにワクワクした年はなかったのではないだろうか。
 特に中島の加入は、過去に散々打たれてきたイメージがあるだけに、非常に心強いものがあった。実際、開幕から4月中旬に離脱するまでは、中島が貧打に喘ぐ打線を引っ張っていた。
 こうして考えると、5月26日の昼食時に起きた中島のギックリ腰による2度目の離脱が森脇政権にある意味トドメを刺した感は否めない。
 
 補強組にこれだけ故障者が続出し、勝利の方程式が崩壊した状況では、なかなか勝利を積み重ねるのは至難の業だったはずだ。
 
 会見終盤には悔しさからか目に光るものがあった森脇監督。2年契約の1年目だった森脇監督自身も「今年に限って」こんなに早く、しかも東京でチームを去ることになるとは思わなかったことだろう。
 
 この日の巨人戦から福良ヘッドコーチが監督代行として指揮を振るうことが発表されると、最後に監督が「お世話になりました」と深く一礼。オリックスでは代行時代を含め約2年8カ月にわたる森脇政権に幕を閉じた。

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