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「優勝して初めてチームが”ひとつ”になる」――合併球団から真の球団へ。オリックスファン10年越しの願い

オリックスとソフトバンクによるパ・リーグの優勝争いが激化する中、9月27日に都内のライブハウスで、オリックスファンが集う決起集会「関東オリバカ交流会&応援歌愛好会」が開催された。主催者の、どら増田さんから取材の打診を受けた編集部はイベントに潜入。恒例となっている公開討論会に、編集長の滝川が参加するという機会までいただいた。しかし、その討論会で浮き彫りになった、合併球団ゆえの優勝に対する複雑なファン心理とは――。

2014/09/30

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吸収合併でバラバラになったファンの心

 イベントプロデュースなどを行う「HAPPY! ENTERTAINMENT」が主催する「関東オリバカ交流会」は、今季3度目の開催。その統括プロデューサーが同団体の会長である、どら増田さんだ。イベントの総合司会も務める増田さんは熱狂的なオリックスファンであり、毎回、関東を中心に多くのファンを集めて、交流の場を提供している。今回は優勝が手の届くところまで来ていることもあり、応援歌の大合唱やミュージシャンによる生ライブなどで大いに盛り上がった。
 
 そして、イベント中盤に公開大討論会が行われた。テーマは編集部が持ち込んだ「大阪近鉄バファローズとの合併球団であることへの思い」。ステージ上には、増田さんと編集長の滝川、もともと近鉄ファンだったA氏、オリックス・ブルーウェーブ時代からのファンであるB氏、そして、経営母体が阪急だった時代からチームを追いかけているC氏の5名が並んだ。
 
 そもそも、オリックス・バファローズは、2004年に起こった〝プロ野球再編問題〟の煽りを受け、当時のオリックス・ブルーウェーブが大阪近鉄バファローズを吸収合併する形で誕生したチームである。それから10年が経った現在でも、残念ながら旧オリックスファンと旧近鉄ファンが本当の意味でひとつになっているとは言い切れない。
 
 そのため、イベントを主催する増田さんは「オリックス・バファローズというチームを少しでも広く認知してもらいたい。ファン同士がひとつになりたい」という思いにかられて、こうした活動に腐心している。
 
 実際問題、球団合併以前から各チームのファンである三氏は、オリックスと近鉄が合併した当時、それぞれに複雑な思いを抱えていた。まさに三者三様である。
 
「そもそも近鉄ファンは近鉄という会社が好きなんです。だから、球団名から近鉄がなくなったことで、チームが消滅したと感じてファンをやめた人も多い」(元近鉄ファンのA氏)
 
「2001年に(旧)近鉄が、北川博敏(現・二軍打撃コーチ)の代打逆転サヨナラ満塁本塁打で優勝を決めたときの相手がオリックス。それもあって、相容れない部分はあったかもしれない。新興球団の楽天に流れたファンも多かったですね」(ブルーウェーブ時代からのファンであるB氏)
 
「経営母体が阪急からオリックスになって、チーム名もブレーブス、ブルーウェーブ、バファローズと変わった。三段落ちみたいなもんです(笑)」(阪急時代からのファンC氏)

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