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「優勝して初めてチームが”ひとつ”になる」――合併球団から真の球団へ。オリックスファン10年越しの願い

オリックスとソフトバンクによるパ・リーグの優勝争いが激化する中、9月27日に都内のライブハウスで、オリックスファンが集う決起集会「関東オリバカ交流会&応援歌愛好会」が開催された。主催者の、どら増田さんから取材の打診を受けた編集部はイベントに潜入。恒例となっている公開討論会に、編集長の滝川が参加するという機会までいただいた。しかし、その討論会で浮き彫りになった、合併球団ゆえの優勝に対する複雑なファン心理とは――。

2014/09/30

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リーグ優勝こそ、合併球団の新たなスタートである

 こうしてバラバラになりかけたファンの心をつなぎ止めたのが、オリックス・バファローズ1年目の2005年に監督を務めた仰木彬氏(故人)である。「仰木マジック」と呼ばれる名采配で、旧近鉄、旧オリックスともにリーグ優勝へと導いた実績を持つ名将は、当時患っていた肺ガンと戦いながら指揮。3年連続最下位だったチームを4位に押し上げた。
 
「体は本当に大変だったと思うんですけど、この球団のために頑張ってくれました」(B氏)と、このときの仰木氏の姿は、今でもファンの心に焼きついている。A氏も「仰木さんが監督を引き受けなければ、この事態は収拾できないと理解して、仰木さんについていこうと決めました」と、当時の心境を振り返る。
 
 それから9年、オリックス・バファローズはリーグ制覇の大きなチャンスを迎えた。旧近鉄時代からのファンA氏は、優勝こそがチームの新たなきっかけになると信じている。
 
「オリックスとしては18年ぶり13回目、バファローズとしては13年ぶり5回目。プロだから優勝しないと、ひとつになれない。今年、達成できれば、合併球団としての新しいスタートがやっと切れると思います」
 
 阪急ブレーブス時代からチームを追うC氏も、「この球団をずっと応援し続ける人間からすれば関係ありません。僕はひとつになろうと思っています」と口をそろえる。
 
 9月29日現在、2位につけるオリックスは首位ソフトバンクと0.5ゲーム差。そのソフトバンクと、10月2日に敵地ヤフオクドームで直接対決を控える。この試合は、絶対に勝たなければならない。ファンの思いをのせて――オリックス・バファローズが本当の意味で”ひとつ”のチームになるために。

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