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ハマらない「栗山マジック」。もう一度、気持ちをつくり直そう【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#108】

オールスター明けから好調だったファイターズが、8月に入り黒星街道まっしぐらだ。この悪い流れを断ち切るためにはどうするべきか?

2019/08/18

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中田離脱で4番打者不在

 驚いている。ファイターズはお盆の東京ドーム3連戦を全敗し、何と9連敗だ。8月の通算成績は実に1勝12敗(8月16日現在)と黒星街道まっしぐらである。7月31日の時点で首位ソフトバンクに0.5差と肉薄したにもかかわらず、わずか半月の間に借金2の5位転落。「5割復帰」「Aクラス確保」が当面の目標になってしまった。
 
 7月が絶好調で猛烈な追い上げを見せていただけにすっかり拍子抜けだ。ファイターズの地力はこんなにもろいものだったんだなぁと考えさせられる。今回のコラムは「緊急特集」のイメージだ。8月大失速の原因を考え、僕なりの処方箋を書きたい。とにかくAクラスさえ確保すればCSでワンチャンあるのだ。明日につながる戦いができる。凹んでいてもしょうがないだろう。前向きに考えてみよう。
 
 と、第一に挙がるのが「レアード流出の手当て」という問題だ。直近の東京ドーム3連戦がロッテ戦であったから、なおさらその感が強いのだが、もし今、レアードがいたら(もしくは30本ホームランを打つ新外国人がいたら)どんなに助かったか。今季のロースターを見ると、外国人選手の補強は王柏融を唯一の例外として全員、ピッチャーだ。レアード流出の穴は清宮幸太郎の成長、王柏融の加入で補えるという判断だった。が、清宮も王もケガでフル稼働できなかった。特に清宮は大誤算だった。ケガ明けの急仕上げで絶不調をかこっている。王はよく日本野球にアジャストしているのだが、不運なことに負傷が続いている。
 
 そして中田翔が手首を痛めてしまった。バットが強く振れない状態だという。4番の重責は近藤健介と清宮が担うことになった。つまり、打線にホームランバッターがいないのだ。まぁ、清宮、横尾俊建はそのタイプだが、揃って不調である。それに近いのは大田泰示、渡邉諒だが、純粋なホームランバッターではない。近藤、王は好打者であることは折紙付きだけど、ドカンと試合をひっくり返す迫力はない。つまり、レアードが果たしていた役割、「下位打線でランナーをおいて、たまにガツンとまとめてくれる」「中田に何かあれば4番を務める」をこなせる選手がいない。
 
 これは危機管理的にぬかりがあったと言われてもしょうがない。王は中距離砲、清宮は2年目なのだ。もちろん、レアードの代わりに獲る新外国人が働いた保証はないのだけど、やることをやった上でアテが外れるのとやらないのとじゃ大きな違いだ。
 
 まぁ、そのくらい8月のファイターズは打てない。1点がほしくて2塁走者をギャンブル気味に本塁突入させてあえなくアウトになったりしている。1点2点を取るのが本当に大変なのだ。点差をつけられると追いつける気がしない。渡邉諒がいちばん期待できる存在だ。下位にレアードがいればなぁ。四球の走者が出たらゴツンと点差を詰めてくれるのに。

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