首位快走、ファイターズの強さは“ON”だけにあらず
3カードを消化した交流戦で、ファイターズが6勝2敗1分。パリーグのペナントレースでも本命ソフトバンクを抑えて首位を快走している。
2015/06/06
広島サイドから見たファイターズ
さて、ファイターズは敵地広島で3連勝を飾った。
初戦はエース前田に抑えられながら、彼が降板した9回に5点を奪い、7-4の逆転勝ち。9回2死から5点を奪った、3年前の再現をやってのけた。
2戦目は先発浦野が好投。鍵谷、宮西、白村の完封リレーで5-0と快勝した。
そして3戦目は初回に2点を失いながらも、中盤に集中打が出て6-2の逆転勝ち。粘りの投球を見せた上沢が4勝目を挙げた。
この3連戦、地元広島サイドの実況や解説のコメントを聞いていて、ちょっといい気分になった。
ファンにはお馴染みとなっているプレーを、彼らがとても褒めてくれるからだ。
2ストライクから粘りのカットを続け、セーフティバントも決めた中島は、打席に立つたびに「いい選手」だと称賛され、中継ぎの鍵谷や白村も「ファイターズのブルペンはいい球を放る」と褒められた。
地元出身の中田と大谷もいい仕事をしたが、ファイターズは“ON”だけではなく、まぐれで勝っているわけでもないということを、広島ファンは知ってくれたと思う。
この3連戦で、いちばん心にグッときた称賛、それは実況の杉谷へのものだった。
中島や西川といった同世代に後れを取っていた杉谷が、明るいキャラクターではなく、巧打と堅守でチームを盛り上げている。この杉谷を実況は「穴の少ない打者に見えます」と紹介したのだ。
初見に近い広島側からすれば、絶好調のいまの杉谷はそう映るのだろう。期待を込めていえば、実際に穴の少ない打者へ変貌しているのかもしれない。
この調子なら、ファイターズは交流戦だけでも首位になるかもしれない。ただ、気になるのはレアードがすっかり打てなくなったこと、そしてソフトバンクが負けてくれないということ。いつもいいことばかりではないのが、プロ野球観戦だ。
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