「球団方針をまさに体現している場所」。カープアカデミーはドミニカの若者に“ジャパニーズドリーム”を与える
広島東洋カープが運営するドミニカカープアカデミー。これまでも何人もの選手を日本球界へと送り込み、成功させてきた。現在も5選手が支配下に名を連ねており、“強いカープ”を支える重要なピースとなっている。
2019/08/28
高橋康光
「このアカデミーは球団方針をまさに体現している場所」
MLB行きという夢が破れた選手たちの駆け込み寺的なポジションにあるのが日本球界やカープアカデミーの現状だ。それでもカープアカデミーの存在価値が日本球界にもたらしたものは少なくない。
NPBで活躍するプレーヤー、日本経由でMLBに挑戦する夢を掴んだプレーヤーはもちろん、カープの通訳として人気を集めるヘンディ・クレート氏やオスカー・コラス外野手(福岡ソフトバンクホークス)の通訳ウィルフィレーセル・ゲレーロ氏のように1軍出場こそ叶わなかったが、違う形で日本球界に身を置くアカデミー出身者もいる。創立から約30年を経て、野球を通じ様々な形で両国に利益をもたらしている。
ドミニカの若者にジャパニーズドリームというチャンスを与えるカープアカデミー。前述の山根さんがその存在意義を「うちの球団はご存知のようにマネーゲームには太刀打ちできません。育てて勝つ、というのが球団の方針です。それは、選手はもちろん我々職員だって同じです。そういう意味でもこのアカデミーは球団方針をまさに体現している場所だと思っています」と語ってくれたのが心に残る。カープの理念を体現する場所として更なる発展を期待したい。
高橋康光
【動画】ドミニカアカデミーの様子