キクマルに強い、エース・能見に託す。CS本拠地開催を懸けたタイガース運命の最終戦
クライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージの本拠地開催をかけ、広島と阪神の直接対決が10月1日、マツダスタジアムで行われる。阪神はこの一戦が今季最終戦。2位になるためには、今日広島に勝ち、さらに広島が5日の巨人戦に負けることが条件となり、瀬戸際に立たされた。CS本拠地開催に向けて、今日は絶対に負けられない一戦。タイガースの勝機はどこにあるのか。
2014/10/01
タイガースは最終戦の勝利が絶対条件
クライマックス・シリーズ(CS)ファーストステージの本拠地開催をかけ、広島と阪神の直接対決が10月1日、マツダスタジアムで行われる。
現在2位の広島はここまで142試合を消化し、74勝66敗2分(勝率.529)。一方の阪神は、143試合を消化し、74勝68敗1分(勝率.521)で、広島とのゲーム差は1。
この試合が今季最終戦となる阪神が2位になるには、この広島戦に勝利し、なおかつ広島が5日に行われる巨人戦に敗れることが条件となる。
阪神にとっては引き分け以下で今季の3位が決定し、本拠地開催も消えるという、まさに運命の一戦となる。
その阪神だが、今季広島には13勝10敗と勝ち越しているが、ここ最近の5試合に限っていえば1勝4敗と不安は拭えない。そして、この大一番のマウンドを任されるのがエース・能見篤史だ。
これまで阪神の絶対的エースとしてチームを支えてきた能見だが、今季はここまで8勝13敗と苦しんでいる。だが広島戦に関しては、2試合に登板して1勝1敗、防御率1.80。また、広島打線のカギを握る菊池涼介、丸佳浩のふたりに対して、それぞれ6打数1安打、7打数0安打と抑え込むなど、心強いデータが揃う。
3点勝負の展開に。エルドレッドを抑えられるかがポイント
阪神OBで現野球解説者の藪恵壹氏は言う。
「菊池、エルドレッド、ロサリオといった右打者との対戦がポイントになると思います。なかでも、要注意なのがエルドレッド。一時、不振により二軍落ちしていましたが、9月に入り復調してきました。能見としてみれば、エルドレッドの前にランナーをためてからの一発は何としても避けたい。いかにボール球を振らせるかが重要になってきます」
能見は「先を見据えたら足元をすくわれる。とにかく目の前の1試合を戦うだけ」と闘志を燃やす。
そして藪氏は「3点勝負になる」と答えた。
「能見をはじめとした投手陣が3点以内に抑えてくれれば勝機はあると思います。相手の先発はここまで2勝3敗と負け越している大瀬良(大地)ですが、抑え込まれたという印象はなく、苦手意識はないと思います。何としても先制して、優位に試合を進めたいところですね。とにかく、これが最後の試合になるわけですから、投手陣はフル稼働すべきだと思います。甲子園で戦うのと、敵地で戦うのとでは全然違う。なんとしても2位になって、甲子園で戦いたいですよね」
広島の野村謙二郎監督は、かつてこんな話をしていたことがあった。
「甲子園は独特の雰囲気があります。阪神ファンの大歓声の中、平常心でプレーするのは難しい。あの球場で試合をする時だけは、本当に敵地だと感じます」
相手指揮官が脅威に感じる甲子園に再び帰ってくることができるのか。阪神の運命をかけた一戦は、18時にプレイボールする。