渡邉、石井一、平沼、玉井……来季立て直しへ、今季いちばんの成長株は?【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#110】
CS進出の可能性は残るが、わずかな望みだ。この状況下で、「今年いちばん伸びた選手は誰だろう?」を考えてみたい。
2019/09/14
ファンが前向きになれる話題
今季最後の東京シリーズは「ロッテ・楽天・楽天」の変則3連戦だった。これを1勝2敗と負け越し、通算成績は132試合60勝67敗5分の5位(9月13日現在)だ。ロッテ楽天の3位争いに割って入るには3連勝しかないと意気込んでいたが、差を詰めるには至らなかった。もちろんあきらめる必要はないけれど、残り試合数とゲーム差を考えるとCS進出は厳しくなったと言わざるを得ない。1チームだけなら「こちらの連勝&先方の連敗」の可能性が残るけれど、ロッテ楽天の2チームに揃って連敗してもらうのはちょっとムシがいい。
で、ファン仲間と居酒屋で「ムシがいいけどそれを祈る?」「ムシがいいけどそうならないかなぁ」「ムシがいいけどねー」など愉快に話し込んでいたと思ってほしい。7月末にいっぺん夢を見た(首位ソフトバンクに0.5差肉薄)せいで、今は順位のことを誰も語りたがらない。ていうか「順位表は見ません」と言い切る者もいた。飲み屋でチーム成績の話が出ないとなると勢い話題は選手個人に移ってゆく。
「今年いちばん伸びた選手は誰だろう?」、みんなが前向きになれる話題を僕が出した。悪戦苦闘のシーズンにも必ず収穫はある。僕は成長した若手や、働きどころを得てカムバックしたベテランを(飲みの席で)ベタ褒めするのが好きだ。飲み会は得てしてみんな愚痴っぽくなりがちだ。文句は言い出すと止まらない。愚痴や文句より、選手のいいところを褒めたほうが僕は気分がいい。これは性分だなぁ。
「有原!」、いきなり反則技みたいな持論が来た。そこを言う? まぁ、ツーシームを覚えて有原は確かにひと皮むけた。上沢が抜けた投手陣を支え、キャリアハイの成績は立派だ。だけど、「有原が伸びたシーズン」なんて総括はどうだろう。それって収穫なしって言ってるのと同じじゃない?
「そりゃ渡邉諒でしょう」、よっ、待ってましたそのひと声。渡邉諒がいなかったら今シーズンは面白くなかったと思う。本当に1軍の戦力になった。ていうか主力になった。近藤健介、大田泰示が調子を落とした8月はなべりょがいちばん期待できるバッターだった。ただ守備には課題を残したなぁ。
「石井ピンちゃん!」、当然、その声も挙がる。石井一成は残念ながら骨折でシーズンアウトしてしまったけれど、飛躍のシーズンを過ごしたと思う。「5番渡邉、6番石井」は2019年シーズンの希望だった。打てる、守れる。来年が本当に楽しみだ。ただ活躍期間が短かったなぁ。どこまでやれるかシーズン最後まで見たかった。
「平沼を忘れてもらっちゃ困りますよ」、おお、平沼翔太は今年のホープの1人だ。使ってもらえば1軍でもフツーにやれるってところを示した。1軍定着の足がかりをつかんだシーズンだ。まぁ、打撃も守備ももう一段レベルアップしたいが、ここまで存在感を示すとは思わなかった。