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矢野謙次のトレードは「新しい巨人」の始まり 矢貫俊之と北篤を獲得した理由

ジャイアンツとファイターズの間で行われた2V2のトレード。はたして、それが意味するものとは?

2015/06/13

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手薄な右の中継ぎ陣

対照的にやりくりに苦労しているのが右の中継ぎである。
実績のある元クローザーのベテラン久保裕也や西村健太朗は2軍調整中。
アラサー中堅組の福田聡志や江柄子裕樹は今季1軍登板なし。
24歳の笠原将生は12試合に登板するも防御率7.59と伸び悩んでいる。
同じく若手右腕の宮国椋丞や小山雄輝もブルペン要員というより、チームとしては先発投手で育てたいところだろう。

クローザー澤村拓一、セットアッパーのマシソンをサポートできる右の中継ぎ投手不在のリアル。
そこで白羽の矢が立ったのが矢貫俊之である。
日本ハム時代は13年に57試合に登板し、オールスターにも出場。
14年は15試合、今季は9試合で15回を投げ防御率3.60という数字が残っている。
1軍通算110試合登板のキャリアを持つ31歳右腕。
困った時のカツキこと香月良太のような立ち位置での起用が予想される。

そして、もう一人の移籍選手・北篤についても明確な補強理由が見て取れる。
今の巨人支配下選手で20代外野手は大田泰示(25)、橋本到(25)、立岡宗一郎(25)の3人のみ。
プロ3年目に投手から野手へ転向した北は26歳の左打ち外野手。
06年高校生ドラフト1巡目で横浜入団時は本格派の投手だったこともあり肩は強い。
昨季は代打で9回起用され、2本塁打を放つ代打適性も併せ持っている。
今季1軍でレギュラー争いをする25歳トリオに割って入れるのか注目だ。

セリーグ首位をしぶとくキープしながらも、V3を支えた阿部慎之助・村田修一・内海哲也らはそれぞれ故障を抱え離脱中。
すでにチームの土台は坂本勇人や菅野智之らの次世代へと移行しつつある。
そんな中、敢行された生え抜きベテラン選手の矢野謙次の放出。
イチ巨人ファン、熱烈な矢野ファンとしての本音を書けば「支持はしないが、理解はできる」移籍劇。
このトレードで終わりではなく、ここからが「新しい巨人」の始まりだろう。

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