ライオンズ・高橋朋己が目指す高み――「より完璧な投球を」無敗のクローザーの本音【中島大輔 One~この1球をクローズアップ】
交流戦を終えて、6月16日試合前時点で首位と3ゲームのライオンズ。今季、ここまで安定感ある戦いができているのは、勝利の方程式が確立されているからだ。特に9回の守護神・高橋朋己の存在がチームに落ち着きを与えている。そんな守護神の本音に迫った。今回クローズアップする場面は6月14日の東京ヤクルト戦だ。9回2死1塁、中村との打席、フルカウントからの11球目だ。
2015/06/16
ベースボールチャンネル編集部
嫌な感覚を払しょくした、カープ・丸へ投じたインコース
今季の高橋は、まだまだ本調子ではない。それを見てとれたのは、11日の広島戦、丸佳浩を141kmの内角ストレートで見逃し三振に仕留めた場面だ。勝利を決めると、思わずガッツポーズを見せた。
この伏線となっているのが、4月25日のソフトバンク戦だった。
「柳田(悠岐)のデッドボール以降、左のインコースが嫌でした。でも、なりふり構っていられない。あそこで決まって満足いって、ガッツポーズが出てしまいました」
試合後、冷静になった高橋はこう振り返っている。
「『左バッターに当てたら』という気持ちがありました。いままでは当たらないギリギリに投げていましたけど、柳田に当てたことで銀さんのミットに投げきれない自分が歯がゆかった」
嫌な感覚を1カ月以上引きずった後、ようやく拭い去ることができた。それがガッツポーズにこめられた感情だった。
交流戦最後のヤクルト戦の後、高橋は自身の状態をこう明かしている。
「調子は上がってきていますね。自分、試合で投げたい人なので。(リーグ戦再開まで)間隔が空くけど、練習をやっているより試合のほうが好きなので。そこはうまいこと調整して、金曜日からの試合に臨みたいと思います」
ようやく状態が上がってきて、理想とする「完璧なところ」を目指すことができる。無敗のクローザーは、まだまだ高みに登り詰めようとしている。
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