「絶対においしいところは持っていく」 今季1軍初登板までの準備とは【横浜DeNAベイスターズ・三浦大輔スペシャルインタビュー2】
開幕ダッシュを決め、セリーグの台風の目となった今シーズンの横浜DeNAベイスターズだったが、交流戦では苦しみ貯金を失っていく現状。しかしまだリーグ首位戦線には食らいついており、これからも巻き返しに期待がかかる。 苦しいチーム状況の要因のひとつに投手陣の不振が挙げられるが、その中にあって5月5日に遅ればせながら開幕を迎えた三浦大輔は、ここまで自身初の開幕3連勝を含む、登板5戦すべてでクオリティスタートを達成(うち3回がHQS)。やはり今年もいてもらわなくては困るハマの番長の存在感。もはや今年で42歳という年齢は感じさせない。 厳しい戦いを強いられながらも何とか上位に踏みとどまるチーム状況を鑑み、今年の自分自身とチームの雰囲気、そして日本一経験者としてこれから優勝、あるいはクライマックスシリーズに向け戦っていくためにはどうしたらいいのか語ってもらった。
2015/06/16
ベースボールチャンネル編集部
1軍で勝つための準備
――今年は開幕1軍に残れずファームで約1カ月間過ごしたわけですが、ファームでは3戦投げて調整段階とはいえ3敗。防御率も4点台。モスコーソ選手が故障し、(髙橋)尚成選手が打ち込まれ、ここで三浦選手の出番がやってきました。ファームで納得のいくピッチングができていない状況での昇格でしたが、このときはどのような心境でしたか。
当然キャンプから開幕ローテーションを目指してやってきたわけですけど、外れたことで考えたのは、昔とは立場が違うということ。オープン戦で三嶋(一輝)や高崎(健太郎)の調子が良かったですし、結果を出した若い選手がローテーションに入るのは当然だと思っていました。20代や30代のころと違ってローテーションを外れたから落ち込んでいるというわけでもなく、まあしょうがないなと。その代わり必ずチャンスはまわってくるはずだから、絶対にモノにしてやろうという気持ちは常に持っていましたよ。ただ練習場がある横須賀に行くのは悔しい部分があったのは確かです。その悔しさをバネに「絶対においしいところは持っていくよ」といった気持ちだけでした。
――結局、チームがピンチの状況になれば最後は三浦選手の出番がやってくる。チームにはそういった空気がありますよね。
いやいや、そんなことはないでしょう。でも出番はあると思っていたし、横須賀でもファームの試合でも、やることだけはやって準備だけはしっかりやっておこうと。投げる試合だけファームに行って、それ以外は横須賀でずっと練習をしていました。ファームで3試合、調整としては難しかったですし、惨敗もしたけど、ファームではあくまでも1軍で勝つための準備として色々試すことができると思って投げていました。そもそもファームであまり押さえた記憶がないんですよね(笑)。
――ただ、1軍に上がったら一発回答しなければ逆戻りの可能性も高い。
もちろんプロですからね。打たれたらすぐファームに落とされるんだろうなと思っていました。それはそれでしょうがない。ただ僕はまわりがどうこうというよりも、やることをやってしっかりと投げる。結局それしかない。持っているもの以上は出せないし、今あるものを出すしかない。そのために練習をするんです。ファームのときはよく1軍の試合を見ていましたよ。横須賀で練習をして、ファームの試合を見て、夜はナイターで1軍の試合はほとんど見ていましたからね。見られないときは、ビデオを録ってあとで見たり。